解析学 II
■授業目的
本講義の目的は,ノルムが導入されている関数空間がもつ一般的な性質を理解した上で,
具体的な関数空間における関数近似理論に関する事項を理解することである.
■到達目標
学生が以下の項目について修得することを到達時の目標とする.
・数列空間,連続関数の空間の基本的性質を説明することができる.
・ワイエルストラスの多項式近似定理を説明できる.
・有限時限部分空間からの最良近似を求めることができる.
・チェビシェフ多項式の基本的性質を説明することができる.
・内積空間における関数系のを正規直交系に変換できる.
■各回ごとの授業内容
1.線形空間,一次独立,一次従属,次元,関数空間
2.距離空間
3.実数の完備性
4.距離空間の完備性
5.ノルム空間
6.数列空間
7.C[a,b]に導入されるノルム
8.有限次元部分空間におけるボルツァノ・ワイエルストラスの定理
9.有限次元空間からの最良近似
10.ワイエルストラスの多項式近似定理
11.バナッハ空間の定義と数列空間の完備性
12.最大値ノルムが導入された連続関数の空間の完備性
13.最大値ノルム以外が導入された連続関数の空間の非完備性
14.ノルム空間の完備化の準備
15.ノルム空間の完備化
16. 第1回から第11回の範囲で授業中試験
(状況によっては,レポート課題に変更する可能性はある)
17.連続関数の空間における最良近似の特徴づけ
18.最良近似を求めるための方法
19.チェビシェフ多項式
20.内積空間の定義と基本的性質
21.ヒルベルト空間における閉凸集合からの最良近似
22.射影定理と有限次元空間からの最良近似
23.正規直交系
24.正規直交系で張られた閉部分空間からの最良近似の表現
25.グラム・シュミットの直交化,ルジャンドル多項式
26.完全正規直交系
27.完全正規直交系が存在するための条件
28.Lp空間の導入