文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」平成22年度〜26年度

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動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成

線虫の生殖巣形成における上皮と基底膜のクロストーク

研究代表者 西脇 清二 関西学院大学教授
(専門:発生遺伝学 / 担当:研究全般)

西脇 清二
連携研究者 高木 新 名古屋大学准教授
(専門:神経発生学 / 担当:赤外レーザーによる細胞単位の遺伝子発現誘導)

動物の発生過程ではチューブ状上皮の移動による形態形成がしばしば見られる。線虫の生殖巣も上皮チューブよりなり、生殖巣原基の前後両端に生じた2個のリーダー細胞distal tip cell (DTC)が、幼虫期にU字型の移動を行うことにより形成される。上皮チューブの表面には基底膜があり、上皮シートを物理的に支えている。上皮チューブの伸張や方向転換の過程では、基底膜はDTCや周囲の細胞により分解・再編されるが、基底膜は逆にインテグリンなどの受容体を介してDTCの細胞骨格を制御している。本研究ではこのような上皮細胞と基底膜とのクロストークに焦点をあてる。遺伝学的な関連分子の機能的同定とライブイメージング、さらに領域メンバーとの密な連携を通して、細胞外マトリックスによる細胞移動のゆらぎと拘束の制御を明らかにする。

Copyright ©2010 文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成」