公募概要
細胞には「動く」という生来的な性質があり、その動きの確率論的な特性は「ゆらぎ」として捉えることができる。本領域では、そうした奔放性がやがて細胞集団・組織の構造的及び機能的な秩序、あるいは柔軟かつ頑強な調和状態に至るメカニズムを明らかにすることを目指す。動く・ゆらぐ細胞がそれを囲む「場」からの拘束を受けて秩序・調和がもたらされる側面と、ゆらぎが積極的に活用されて秩序化・組織化に向かう側面の両方に注目して、「分子から細胞(研究項目A01)」、「細胞から組織(A02)」、「組織から器官(A03)」の「計画研究」を相互補完的に進めるとともに、これらに関連する2年間の研究を公募する。さらに、動く細胞及び組織に測定されるゆらぎの意味を理論的に問う「動く細胞の理論(A04)」を横断的研究項目として新たに設け、公募する。1年間の研究は公募の対象としない。また、研究分担者を置くことはできない。
公募研究の採択目安件数は、単年度当たり(1年間)の応募額800万円を上限とする研究を8件程度、400万円を上限とする研究を20件程度予定している。
階層上昇性を問う意欲に富む研究、実験と理論の融合型の研究、領域全体に対し概念的な示唆を与えるポテンシャルを有するような研究、研究項目A04の研究を歓迎する。特に、若手研究者による挑戦的な応募を期待する。必要に応じて、総括班からイメージング等の技術支援を行う予定である。