分子分光学で微生物を 観る、知る、見分ける
分子分光学で微生物を 観る、知る、見分ける
重藤研究室は、先端的な分子分光法と情報学の手法を駆使して、複雑分子系における分子の構造や振る舞い、そしてそれらの機能との関係を解明することを目指しています。微生物細胞とその集団であるバイオフィルム、植物と微生物の共生体(菌根)、有機無機ハイブリッド半導体など様々な系を対象として、新たな分子機能や生命現象の発見につながる基礎研究に取り組んでいます。とくに、分光データの機械学習を用いた微生物識別法の開発とラマンイメージングによる生体構造の可視化に力を入れています。
ラマン分光法により得られるラマンスペクトルは別名「分子の指紋」とも呼ばれ、ミクロな世界の分子に関する豊富かつ他の手法では得難い情報を私たちに届けてくれます。この情報をAIや多変量解析の力を借りながら正しく読み解くことによって、たくさんの微生物細胞の中から有用物質を生産する細胞を見つけたり、試料を破壊することなくその構成物質を既知・未知問わず分析したりすることができます。このような研究を通じて、化学、生物学、工学、情報学にまたがる学際領域の開拓に貢献していきます。
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元研究室メンバーの菅野博士の研究成果に関する論文がApplied Environmental Microbiology誌でオンライン公開されました! ラマン散乱と自家蛍光の同時検出により、モデル光合成細菌と葉圏微生物がつくる色素(カロテノイドやバクテリオクロロフィル)の1細胞解析を行いました。
卒研生5名と博士研究員のErwan Darussalamさんが加入し、2025年度の重藤研究室がスタートしました
卒業生の小田和佳さん(2023年3月修士卒)の研究成果に関する論文がJournal of Raman Spectroscopy誌でオンライン公開されました! 大きく異なる2つの増殖段階のラマンデータを学習させることで、ランダムフォレストによる細菌種の識別精度が大きく向上することを示しました
重藤教授が日本分光学会春期セミナー(オンライン)の講師として登壇し、ラマンスペクトルデータの機械学習による微生物細胞識別の原理と応用について講演しました
本学神戸三田キャンパスにて日本分光学会関西支部令和6年度第3回講演会を実施しました
重藤教授が12th Singapore International Chemistry Conferenceで招待講演を行いました
重藤教授が17th International Conference on Optics Within Life Sciences (OWLS-17)(インド、ムンバイ)で招待講演を行いました
菅野助教が日本微生物生態学会第37回広島大会でポスター発表しました