公募研究
理化学研究所 生命システム研究センター(QBiC)
フィジカルバイオロジー研究ユニット
〒650-0047 兵庫県神戸市中央区港島南町2-2-3
TEL: 078-306-3264
FAX: 078-306-3262
E-mail: tatsuo.shibata@riken.jp
研究室ホームページ:http://www.qbic.riken.jp/japanese/research/outline/lab-31.html
<略歴>
1994年:京都大学理学部卒、1999 年:東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、博士(学術)、1999-2001年:京都大学数理解析研究所研究員、2001-2002年:ドイツ・マックスプランク研究機構フリッツハーバー研究所、フンボルト財団研究員、2002-2010年:広島大学院理学研究科講師、助教授、准教授、2010年より:理研CDBユニットリーダー。
<研究課題>
A04 細胞スケールから器官まで、運動する細胞が織りなす協同現象のフィジカルバイオロジー
<研究計画>
走化性やcollective cell migration, 上皮の大きな変形などは、内部に極性や形態変化などの自由度を持つ要素=細胞の集団の協同現象であると考えることができる。ここで協同現象とは、 要素間の相互作用によって、ひとつの要素を越えたスケールで相関が生まれて起こる現象を指している。数理科学はさまざまな方法を発展させることで、要素間の関係の変化によって生じる非自明な秩序形成を理解してきた。そして、異なる物質が作り出す類似の秩序には、共通する数理的な構造のあることを明らかにしてきた。本研究では、同様の発想を念頭に置きながら、運動する細胞が細胞内に作り出す秩序や細胞の集団が作り出す秩序的な振る舞いを、内部に自由度を持ち自律的に動く要素が相互作用を通じて作り出す協同的な現象ととらえて、共通するより不変的な構造に着目する研究を展開する。
<イメージ図>
<代表的論文>
Tatsuo Shibata, Masatoshi Nishikawa, Satomi Matsuoka, and Masahiro Ueda,
(2012) Modeling the
self-organized phosphatidylinositol lipid signaling system in chemotactic cells
using quantitative image analysis, Journal of Cell Science, 125: 5138-5150
Tetsuya Hiraiwa, Akinori Baba, Tatsuo Shibata (2013)
Theoreticalmodelforcellmigrationwithgradientsensingandshapedeformation Eur. Phys. J. E 36:
32
Akinori Baba, Tetsuya Hiraiwa, Tatsuo Shibata (2012) Directionalsensingofdeformedcellsunderfaintgradients.
Phys Rev E 86: 6-1
Y. Arai, T.
Shibata, S. Matsuoka, M. J. Sato, T. Yanagida, and M. Ueda (2010) Self-organization of the phosphatidylinositol
lipids signaling system for random cell migration. PNAS. 107:12399-12404.
Masahiro Ueda, Tatsuo Shibata (2007) Stochasticsignalprocessingandtransductioninchemotacticresponseofeukaryoticcells. Biophys J 93:
1. 11-20