文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」平成22年度〜26年度

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動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成

公募研究

中垣 俊之

北海道大学 電子科学研究所 生命科学研究部門
001-0020 北海道札幌市北区北20条西10丁目
TEL: 011-706-9439
FAX:
E-mail: nakagaki@es.hokudai.ac.jp
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略歴> 
1987:北海道大学薬学部卒、1989年:北海道大学薬学研究科修士修了、1989-1994年:ファイザー製薬1997年:学術博士(名古屋大学)、1997-2000:理研BMC他、2000-20010年:北海道大学電子科学研究所准教授。2004: 在外研究員(オックスフォード大学数学研究所)、2010年より:公立はこだて未来大学教授、大阪大学生命機能研究科客員教授、北海道大学トポロジー理工学教育研究センター客員教授。


<研究課題>
A04 細胞運動における細胞レオロジーと応力場のクロストーク


<研究計画> 
細胞原形質のレオロジー特性、とくに応力付加に対する応答性を実験的に明らかにする。このレオロジー特性は、細胞運動時において自身の作り出す収縮応力場と必然的にクロストークする。この過程が、細胞の高次挙動にどのような役割をもつか、力学モデルを構成•解析することにより、明らかにする。6つの具体的なテーマを設定する。(1)原形質のマイクロレオロジーとバルクレオロジー。(2)アクチン溶液のレオロジー測定。(3)細胞のレオロジーダイナミクスの定式化。(4)局部的な収縮運動の組織化による重心移動の力学的解析。(5)走性、とくに方向決定における力学機構とゆらぎによる変調効果。(6)原形質流路、細胞移動通路のネットワーク形成の数理モデリング。

<イメージ図>



<代表的論文> 

1.        Itsuki Kunita, Katsuhiko Sato, Yoshimi Tanaka, Yoshinori Takikawa, Hiroshi Orihara, and Toshiyuki Nakagaki: "Shear Banding in An F-actin Solution", Physical Review Letters, Vol. 109, 248303 (2012).

2.        Kei-Ichi Ueda, Seiji Takagi, and Toshiyuki Nakagaki: "Tactic direction determined by the interaction between oscillatory chemical waves and rheological deformation in an amoeba", Physical Review E 86, 011927 (2012) 

3.        Robert D. Guy, Toshiyuki Nakagaki and Grady B. Wright : “Flow-induced channel formation in the cytoplasm if motile cells”, Physical Review E, Vol. 84, 016310 (2011)

4.        Yoshimi Tanaka, Kentaro Ito, Toshiyuki Nakagaki, and Ryo Kobayashi : “Mechanics of peristaltic locomotion and role of anchoring”, The Royal Soc. Interface, Vol.9, 222-233 (2012)

5.        Kei-ichi Ueda, Seiji Takagi, Yasumasa Nishiura, and Toshiyuki Nakagaki : “Mathematical model for contemplative amoeboid locomotion”, Physical Review E, 83, 021916 (2011)

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