公募研究
筑波大学 生命環境科学研究科
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＜略歴＞
1996年：中国華東理工大学卒、1996-99年：中国上海生物製品研究所研究アシスタント、1998-99年：東京理科大学客員研究所員、2000-05年：東京大学大学院新領域創成科学研究科（生命科学博士）、2005-06年：同リサーチフェロ、2006-07年：フランス国立自然科学研究センター（ＣＮＲＳ）研究員、2008-12年：大阪大学大学院情報科学研究科助教、特任准教授、2013年より：情報通信研究機構（ＮＩＣＴ）主任研究員、大阪大学大学院情報科学研究科招へい准教授。
＜研究課題＞
A04 細胞増殖に伴う集団秩序維持
＜研究計画＞
細胞分化プロセスの確率性と分化後の細胞数の確率性による乱れが生じても、これらの細胞が安定な組織形成が得られているのはなぜだろうか？本研究では、人工的に構築した分化する大腸菌を用いて、組織形成という発生プロセスを疑似することにより、細胞間相互作用を利用した体制維持の普遍的法則の探索を目的とする。分化後の細胞数の確率性がいかに制御されるかに焦点を絞って、細胞分化から安定な集団パターン形成までの最小条件を実験的に見出す。具体的には、トグルスイッチの性質を活かした表現型の確率的変化、二種類の表現型からそれぞれ作り出される二種類の必須栄養素による相互作用を利用する。本研究を実現することにより、特異的な動物発生や増殖に伴わないパターン形成などの真核生物の研究に相補的な知見が得られ、動く細胞の普遍的理論を捉えることに寄与する。
＜イメージ図＞
＜代表的論文＞
1. Ying, B.W., Seno, S., Kaneko, F., Matsuda, H. and Yomo, T. Multilevel comparative analysis of the contributions of genome reduction and heat shock to the Escherichia coli transcriptome. BMC Genomics 14:25 (2013).
2. Shimizu, Y., Tsuru, S., Ito, Y., Ying, B.W. and Yomo, T. Stochastic switching induced adaptation in a starved Escherichia coli population. PLoS ONE 6: e23953 (2011).
3. Tsuru, S., Yasuda, N., Murakami, Y., Ushioda, J., Kashiwagi, A., Suzuki, S., Mori, K., Ying, B.W. and Yomo T. Adaptation by stochastic switching of a monostable genetic circuit in Escherichia coli. Mol Syst Biol 7: e493 (2011).
4. Ying, B.W., Ito, Y., Shimizu, Y. and Yomo, T. Refined method for the genomic integration of complex synthetic circuits. J Biosci Bioeng 110: 529-536 (2010).