文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」平成22年度〜26年度

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動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成

公募研究

鈴木 誠

基礎生物学研究所形態形成研究部門
444-8585 愛知県岡崎市明大寺町字西郷中38
TEL: 0564-55-7574
FAX: 0564-55-7571
E-mail: msuzuki@nibb.ac.jp
研究室ホームページ: http://www.nibb.ac.jp/sections/developmental_biology/ueno/



略歴
2002:東北大学理学部生物学科卒、2007年:東北大学大学院生命科学研究科博士課程後期修了(博士(生命科学))、2007-2008:日本学術振興会特別研究員(基礎生物学研究所形態形成研究部門)、2008年より:基礎生物学研究所形態形成研究部門助教。



<研究課題>
A03 初期神経系の形成における非筋型ミオシンのダイナミクスと意義


<研究計画>
動物の発生過程では細胞が一方向に移動したり、形態を変化させたり、あるいは隣接する細胞と位置を入れ替えたりしながら、細胞集団による頑強な組織・器官を創り出します。この過程では、変形を続ける胚という場の中で細胞の挙動がその時々の素過程に応じて適切かつ協調的に制御される必要がありますが、その仕組みはよく分かっていません。本研究ではゼブラフィッシュの初期神経系が構築される過程をモデル系とし、間充織様でありつつ集団的に振舞う神経前駆細胞における非筋型ミオシンの意義を細胞生物学的な視点から明らかにします。透明度が高いというゼブラフィッシュ胚の特色を生かして単細胞レベルでのライブイメージングと光操作技術を組み合わせた定量的な解析を行い、非筋型ミオシンの細胞内動態と個々の細胞の挙動、更に細胞集団からなる初期神経系の形態の間に存在する因果関係を明らかにした上で、そこで機能する細胞内の分子機構を同定します。

<イメージ図>















<代表的論文>

1.        Suzuki, M., Morita., H, and Ueno, N. Molecular mechanisms of cell shape changes that contribute to vertebrate neural tube closure. Dev. Growth Differ. 54: 266-276 (2012).

2.        Suzuki, M., Hara, Y., Takagi, C., Yamamoto, T.S., and Ueno, N. MID1 and MID2 are required for Xenopus neural tube closure through the regulation of microtubule organization. Development 137: 2329-2339 (2010).

3.        Tao, H., Suzuki, M., Kiyonari, H., Abe, T., Sasaoka, T. and Ueno, N. Mouse prickle1, the homolog of a PCP gene, is essential for epiblast apical-basal polarity. Proc. Natl. Acad. Sci. USA 106: 14426-14431 (2009).


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