文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」平成22年度〜26年度

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動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成

公募研究

金子 奈穂子

名古屋市立大学大学院医学研究科再生医学分野
467-8601 愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂町字川澄1
TEL: 052-853-8532
FAX: 052-851-1898
E-mail: naokoka@med.nagoya-cu.ac.jp
研究室ホームページ:

略歴> 
2000年:山梨大学医学部卒、2000-2004年:山梨大学医学部精神神経医学講座(神庭重信教授)・研修医・医員、2003-2007年:山梨大学大学院博士課程、2004-2007年:慶應義塾大学医学部生理学教室(岡野栄之教授)・共同研究員、2007-2009年:井上フェロー(澤本和延教授)、2009年より:名古屋市立大学大学院医学研究科再生医学分野(澤本和延教授)・助教。


<研究課題>
A03 傷害脳内を移動する新生ニューロンと活性化アストロサイトのクロストーク


<研究計画> 
側脳室の側壁にある脳室下帯では、成体でもニューロンの新生が続いている。非侵襲時には、新生ニューロンはアストロサイトに囲まれた経路を通って嗅球に移動するが、脳梗塞などの傷害後には、傷害部に移動して少数ながらニューロンを再生する。このとき、新生ニューロンは傷害により活性化したアストロサイトの中を移動していく。スライス培養をタイムラプス撮影すると、新生ニューロンが接したアストロサイトが形態を変化させていく様子が観察され、両者の間には活発なクロストークが存在すると考えている。本研究では、領域メンバーとの連携を通して、新生ニューロンの接触による活性化アストロサイトの細胞骨格の制御機構、更にはアストロサイトの形態変化が新生ニューロンの移動に及ぼす影響を明らかにすることを目指す。

<イメージ図>












<代表的論文> 

1.        Kako E, Kaneko N, Aoyama M, Hida H, Takebayashi H, Ikenaka K, Asai K, Togari H, Sobue K, Sawamoto K. Subventricular zone-derived oligodendrogenesis in injured neonatal white matter in mice enhanced by a nonerythropoietic erythropoietin derivative. Stem Cells 30, 2234-2247 (2012).

2.        Kato Y, Kaneko N, Sawada M, Ito K, Arakawa S, Murakami S, Sawamoto K. A subtype-specific critical period for neurogenesis in the postnatal development of mouse olfactory glomeruli. PLoS One 7, e48431 (2012)

3.        Sawada M, Kaneko N, Inada H, Wake H, Kato Y, Yanagawa Y, Kobayashi K, Nemoto T, Nabekura J, Sawamoto K. Sensory input regulates spatial and subtype-specific patterns of neuronal turnover in the adult olfactory bulb. The Journal of Neuroscience 31, 11578-96 (2011).

4.        Kaneko N, Marín O, Koike M, Hirota Y, Uchiyama Y, Wu J, Lu Q, Tessier-Lavigne M, Alvarez-Buylla A, Okano H, Rubenstein J, Sawamoto K. New neurons clear the path of astrocytic processes for their rapid migration in the adult brain. Neuron 67, 212-223 (2010)


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