文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」平成22年度〜26年度

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動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成

公募研究

片岡 浩介

横浜市立大学生命医科学研究科
230-0045 神奈川県横浜市鶴見区末広町1-7-29
TEL: 045-508-7241
FAX: 045-508-7369
E-mail: kkataoka@tsurumi.yokohama-cu.ac.jp



略歴
1989:東京大学理学部生物化学科卒、1994年:東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻博士課程修了、1994-2000年:東京大学医科学研究所助手2000-03:東京工業大学フロンティア創造共同センター助手、2003-13年:奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科准教授。2013年より:横浜市立大学生命医科学研究科准教授。


<研究課題>
A03 器官として移動する胸腺・副甲状腺の駆動力源を周囲の間葉系細胞との関係性から探る


<研究計画>
 哺乳類の胸腺と副甲状腺は、発生の過程で、器官全体として上皮構造を保ったまま、それを取り囲む間葉系細胞群の中を移動します。副甲状腺側のMafB-KOマウスなどのみならず、間葉系細胞側のEphrinB2-KOなどでも移動が異常となることから、胸腺・副甲状腺(器官)と周囲の間葉系細胞(場)の間での力やシグナルのやりとりが移動に関与すると想像されますが、駆動力の発生源や、移動方向を決める分子機構は全く分かっていません。 そこで、任意の細胞に接触した細胞を遺伝的にラベルする方法を開発し、これを野生型マウスや上述のKOマウスに適用して、個体内で時系列に沿った胸腺・副甲状腺と間葉系細胞の位置関係を明らかにし、「場」と「器官」の力とシグナルのやり取りや、「場」と「器官」の状態が時系列に沿ってどう変化するのかを明らかにすることで、「器官移動の駆動力と方向性決定の分子機構」の解明を目指します。

<イメージ図>



<代表的論文>

1.        Kamitani-Kawamoto, A., M. Hamada, T. Moriguchi, M. Miyai, F. Saji, I. Hatamura, K. Nishikawa, H. Takayanagi, S. Hitoshi, K. Ikenaka, T. Hosoya, Y. Hotta, S. Takahashi, and K. Kataoka. MafB interacts with Gcm2 and regulates parathyroid hormone expression and parathyroid development. J. Bone Miner. Res. 26:2463-2472 (2011).


Copyright ©2010 文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成」