公募研究
三浦 岳
九州大学大学院医学研究院
〒812-8582 福岡県福岡市東区馬出3-1-1
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FAX: 079-565-9077
E-mail: miura_t@anat1.med.kyushu-u.ac.jp
研究室ホームページ:http://www.anat1.med.kyushu-u.ac.jp
<略歴>
1996年京都大学医学部卒、1998年日本学術振興会特別研究員(DC2)、2000年 京都大学大学院医学研究科 生体構造医学講座 形態形成機構学助手 2002年 日本学術振興会海外特別研究員(Oxford大学)。2004年 京都大学大学院医学研究科 先天異常標本解析センター 助教 2006年 京都大学大学院医学研究科 生体構造医学講座 形態形成機構学助手 2008 同 准教授 2013年 九州大学大学院医学研究院教授 現在に至る
<研究課題>
A03 肺上皮の集団運動のメカニズムとmorphogen
gradient
<研究計画>
本研究の目的は、肺の枝分れ構造形成の際の細胞の集団運動のメカニズムを解明することである。我々の呼吸器系は樹状構造をしている。このパターン形成過程で呼吸上皮のシート構造がFGF10の供給源に向かって動いて行くことが知られている。この、シート状の上皮組織が上皮間葉転換も起こさずにそのまま動くメカニズムは未だにきちんと理解されていない。前回の新学術領域の公募研究では、培養系を用いて周囲のゲルの変形を計測することで、上皮のシート構造の運動のメカニズムを提唱した。また、1. Lyn-EGFP マウスを用いた、組織内での細胞運動の挙動の観察
2. FGF10
の拡散ダイナミクスの可視化3. FGF のシグナル入力のFRET センサーによる可視化 という技術を新たに導入した。これらを活用して、細胞が集団でつながっていることによって外部のmorphogen の濃度勾配を感知して移動するメカニズムを解明する。
<イメージ図>
<代表的論文>
1. T. Miura et al., The cyst-branch difference in developing chick lung results from a different morphogen diffusion coefficient, Mech Dev 126, 160–172 (2009).
2. T. Miura, Modeling Lung Branching Morphogenesis, Current topics in developmental biology 81, 291–310 (2008).
3. D. Hartmann, T. Miura, Modelling in vitro lung branching morphogenesis during development, J Theor Biol 242, 862–872 (2006).
4. T. Miura, K. Shiota, Depletion of FGF acts as a lateral inhibitory factor in lung branching morphogenesis in vitro, Mech Dev 116, 29–38 (2002).