公募研究
鈴木 孝幸
名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻
〒464-8602 愛知県名古屋市千種区不老町
TEL: 052-789-2997
FAX: 052-789-2994
E-mail: suzuki.takayuki@j.mbox.nagoya-u.ac.jp
研究室ホームページ:
http://bunshi5-bio-nagoya-u.businesscatalyst.com/index.html
<略歴>
1999年:慶應義塾大学理工学部応用化学科卒、2004年:奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科後期博士課程卒 博士(バイオサイエンス)、2003-2004年:日本学術振興会研究員、2005-2006年:日本学術振興会海外特別研究員、2004-2007年:米国Wisconsin大学解剖学科ポスドク(John F. Fallon研究室)、2007-2010年:東北大学加齢医学研究所助教、2008-2012年:JST科学技術振興機構さきがけ研究者(兼任)。2010年より:名古屋大学大学院理学研究科生命理学専攻助教。
<研究課題>
A03 細胞動態と生化学場との統合によるAnisotropyを生み出す力学場の解明
<研究計画>
近年の計測技術の急速な進展により、発生中の1細胞レベルの挙動を経時的に観察することが可能となった。しかし個々の細胞の挙動から器官全体の形態形成を理解するには未だに多くのギャップがある。さらには多くの脊椎動物の器官は3次元かつ不透明であり、すべての細胞の挙動を一度に解析する事は極めて困難である。このギャップを埋める為に、私たちはこれまでの研究の中で器官の中の各組織のAnisotropy(組織内の特徴的ゆがみやひずみ)を定量的に計測する事で、組織の変形から器官全体のマクロな形を理解する手法を確立した。そこで本研究では、このAnisotropyが生み出される仕組みを細胞レベルで理解するために、細胞移動や増殖、入れ替わりなどの細胞動態の解析と、Morphogenシグナルがどのように作用しているのかという生化学場の解析を通して、器官全体の秩序を明らかにするトップダウン形式の新しい発生学の概念を提唱したいと考えている。
<イメージ図>
<代表的論文>
1. Suzuki T. How is digit identity determined during chick development? Dev Growth Differ., 55, 130-138 (2013)
2. Ito T*., Ando H*., Suzuki T., Ogura T., Hotta K., Imamura Y., Yamaguchi Y., and Handa H. Identification of a Primary Target of Thalidomide Teratogenicity. Science, 327; 1345-1350 (2010)
3. Suzuki T., Hasso S. M., and Fallon J. F. Unique SMAD1/5/8 activity at the phalanx-forming region determines digit identity. Proc Natl Acad Sci U S A. 18; 4185-4190 (2008)
4. Suzuki T., Takeuchi J., 4. Koshiba-Takeuchi K., and Ogura T. Tbx genes specify posterior digit identity through Shh and BMP signaling. Developmental Cell 16; 43-53 (2004)