公募研究
坂根 亜由子
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部
生体制御医学講座 分子病態学分野
〒770-8503 徳島市蔵本町3丁目18ー15
TEL: 088-633-9225
FAX: 088-633-9227
E-mail: sakane@basic.med.tokushima-u.ac.jp
<略歴>
1999年:徳島大学医学部医学科入学、2003年3月:徳島大学医学部医学科4年次修了・退学、2003年4月:徳島大学大学院医学研究科プロテオミクス医科学専攻(分子病態学分野)MD-PhDコース入学、2006年3月:徳島大学大学院医学研究科プロテオミクス医科学専攻(分子病態学分野)MD-PhDコース修了(医学博士)、2006年4月:徳島大学医学部医学科5年次復学、2008年3月:徳島大学医学部医学科卒業、2008年4月:医師免許状取得(第473402号)、2008年4月より:徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部助教(分子病態学分野 佐々木卓也教授)。
<研究課題>
A02 集団的細胞運動を支える細胞内小胞輸送とアクチン細胞骨格再編成のクロストーク制御
<研究計画>
集団的細胞運動は個体の発生過程、創傷治癒、がん細胞の浸潤・転移等において観察される。集団を構成する細胞は互いに細胞間接着を維持し、先頭の一部の細胞が集団を強い力で牽引していく。その制御機構として接着分子等の機能分子群の小胞輸送とアクチン細胞骨格の再編成を集団内で統括する機構が考えられる。Rab13-JRAB系は細胞間接着分子の細胞膜への輸送を制御し、さらに、JRABはその分子構造に依存してアクチン細胞骨格の再編成を時空間制御する。本研究では、集団的細胞運動における機能分子群の小胞輸送とアクチン細胞骨格の再編成のクロストーク制御機構の本体としてRab13-JRAB系を提示し、その作用機構の解析から集団的細胞運動の分子基盤を解明することを目的とする。ライブイメージングを主体とした細胞生物学的解析だけでなく、KOマウスを用いた個体レベルでの検証も試みる。
<イメージ図>
<代表的論文>
1. Sakane, A., Abdallah, A.A.M., Nakano, K., Honda, K., Ikeda, W., Nishikawa, Y., Matsumoto, M., Matsushita, N., Kitamura, T., and Sasaki, T. Rab13 small G protein and Junctional Rab13-binding protein (JRAB) orchestrate actin cytoskeletal organization during epithelial junctional development. J. Biol. Chem., 287: 42455-42468 (2012).
2. Sakane, A., Honda, K. and Sasaki, T. Rab13 regulates neurite outgrowth in PC12 cells through its effector protein, JRAB/MICAL-L2. Mol. Cell. Biol., 30: 1077-1087 (2010).
3. Sakane, A., Hatakeyama, S., and Sasaki, T. Involvement of Rabring7 in EGF receptor degradation as an E3 ligase. Biochem. Biophys. Res. Commun., 357: 1058-1064 (2007).
4. Sakane, A., Manabe, S., Ishizaki, H., Tanaka-Okamoto,M., Kiyokage, E., Toida, K., Yoshida,T., Miyoshi, J., Kamiya, H., Takai, Y.,and Sasaki, T. Rab3 GTPase-activating protein regulates synaptic transmission and plasticity through the inactivation of Rab3. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 103: 10029-10034 (2006).