文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」平成22年度〜26年度

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動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成

公募研究

長谷川 明洋

山口大学大学院医学系研究科
755-8505 山口県宇部市南小串1-1-1
TEL: 0836-22-2227
FAX: 0836-22-2415
E-mail: ahaseg@yamaguchi-u.ac.jp
研究室ホームページ:http://mb.med.yamaguchi-u.ac.jp/


略歴
1998 年:東京理科大学大学院薬学研究科博士課程修了、1998-2002:米国Pennsylvania大学博士研究員(Mark I. Greene研究室2002-04年:長寿科学振興財団リサーチレジデント、2004-2008千葉大学大学院医学研究院助手・助教。2008-2010山口大学大学院医学系研究科講師。2010年より:山口大学大学院医学系研究科准教授。


<研究課題>
A02 肺内インビボライブイメージングによる浸潤リンパ球の秩序形成過程の解析


<研究計画>
アレルギー性喘息の特徴は好酸球浸潤を主とする気道炎症であるが、その発症においてTh2細胞が中心的な役割を果たすことが知られている。これまで抗原特異的Th2細胞の炎症誘導時の挙動はよくわかっていなかったが、イメージング技術を駆使した最近の研究で抗原吸入後に肺に集積して細胞集団を形成し、その後の好酸球浸潤や炎症巣の形成を制御していることがわかってきた。細胞集団の場を決める最初のきっかけは肺組織内に集積してきた抗原特異的Th2細胞のゆらぎによって生じる少数の細胞の集まりや抗原提示細胞との出会いであると考えられる。本研究では、機能的T細胞サブセットの肺組織内での挙動を解析し、Th2細胞の集積と集団形成を制御する因子の同定を行う。これらの研究を通して細胞の動き・ゆらぎと細胞間相互作用の形成による炎症巣の場の制御機構を明らかにする。

<イメージ図>












<代表的論文>

Hasegawa, A., Iwamura, C., Kitajima, M., Hashimoto, K., Otsuyama, K., Ogino, H., Nakayama, T. and Shirai, M. Crucial role for CD69 in the pathogenesis of dextran sulphate sodium-induced colitis. PLoS ONE in press.

Hasegawa, A., Hayashi, K., Kishimoto, H., Yang, M., Tofukuji, S., Suzuki, K., Nakajima, H., Hoffman, R. M., Shirai, M. and Nakayama, T. Color-coded real-time cellular imaging of T-lymphocyte accumulation and focus formation in a mouse asthma model.  J. Allergy Clin. Immunol. 125: 461-468 (2010).

Miki-Hosokawa, T.*, Hasegawa, A.*, Iwamura, C.*, Shinoda, K., Tofukuji, S., Watanabe Y., Hosokawa, H., Motohashi, S. Hashimoto, K., Shirai, M., Yamashita, M. and Nakayama, T. CD69 controls the pathogenesis of allergic airway inflammation. J. Immunol. 183: 8203-8215 (2009).

Hasegawa, A., Miki, T., Hosokawa, H., Hossain M. B., Shimizu C., Hashimoto, K., Kimura, M. Y., Yamashita, M. and Nakayama, T. Impaired GATA3-dependent chromatin remodeling and Th2 cell differentiation leading to attenuated allergic airway inflammation in aging mice. J. Immunol. 176: 2546-2554 (2006).


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