文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」平成22年度〜26年度

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動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成

公募研究

日比 正彦

名古屋大学生物機能開発利用研究センター
464-8601 愛知県名古屋市千種区不老町
TEL: 052-789-5198
FAX: 052-789-5053
E-mail: hibi@bio.nagoya-u.ac.jp
研究室ホームページ:http://bbc.agr.nagoya-u.ac.jp/~junkei/



略歴
1988:広島大学医学部卒、1992年:大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了、博士(医学)取得、1992-95:米国UCSDポストドクトラルフェロー(Michael Karin研究室)1995-99:大阪大学医学部助手、1999-2001:大阪大学大学院医学系研究科助教授、2001-2009:理研CDBチームリーダー、2009年より:名古屋大学生物機能開発利用研究センター教授。


<研究課題>
A02 動く細胞による神経回路リモデリング機構


<研究計画>
発生過程で形成された神経回路は、発達過程でリモデリングされることで、高度な神経活動を維持している。その端的な例が、真骨魚類の中枢神経組織である。真骨魚類は、水棲生活という過酷な状況で発生・生活するため、発生早期に神経構造・神経回路を形成するが、成体においてもニューロン新生を持続し、神経回路をリモデリングする。しかし、成体でどのように神経前駆細胞が維持され、分化・移動し、神経回路がリモデリングされるかは不明である。ゼブラフィッシュの中枢神経では、複数の領域で成体ニューロン新生が起こることが報告されており、小脳の顆粒細胞はその代表例の一つである。本研究では、ゼブラフィッシュ小脳の成体ニューロン新生において、顆粒細胞の神経前駆細胞が維持され、新生された顆粒細胞が適切な場所に移動し、新生顆粒細胞が神経回路をリモデリングする過程を解析し、これらを制御する分子メカニズムを解明する。
 
<イメージ図>


















<代表的論文>

1.        Tanabe, K., Kani, S., Shimizu, T., Bae Y.-K., Abe, T., and Hibi, M. Atypical PKC regulates primary dendrite specification of cerebellar Purkinje cels by localizing Golgi apparatus. J. Neurosci. 30: 16983-16992 (2010). 

2.        Kani, S., Bae, Y.-K., Shimizu, T., Tanabe, K., Satou, C., Parsons, M.J. Scott, E., Higashijima, S.-I., and Hibi, M. Proneural gene-linked neurogenesis in zebrafish cerebellum. Dev. Biol. 343: 1-17 (2010).

3.        Shimizu, T., Nakazawa, M., Kani, S., Bae, Y.-K., Shimizu, T., Kageyama, R., and Hibi, M. Zinc finger genes Fezf1 and Fezf2 control neuronal differentiation by repressing Hes5 expression in forebrain. Development 137: 1875-1885 (2010).

4.        Bae, Y.-K., Kani, S., Shimizu, T., Tanabe, K., Nojima, H., Kimura, Y., Higashijima, S.-I., and Hibi, M. Anatomy of zebrafish cerebellum and screen for mutations affecting its development. Dev. Biol. 330: 406-426 (2009).

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