公募研究
澤井 哲
東京大学 大学院総合文化研究科
〒669-1337 東京都目黒区駒場3-8-1
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E-mail: cssawai @ mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
研究室ホームページ:http://sawailab.c.u-tokyo.ac.jp
<略歴>
1996年:早稲田大学理工学部応用物理学科卒、1998 年:早稲田大学大学院理工学研究科修了 修士(理学)、2001年:東北大学大学院情報科学研究科修了 博士(情報科学)。2001年-2005年:プリンストン大学分子生物学部博士研究員、 2005年-2010年:JST ERATO金子複雑系生命プロジェクトグループリーダーを経て、2008年より東京大学 大学院総合文化研究科准教授。
<研究課題>
A02 場と動きの共鳴から出現する多細胞ダイナミクスの解析
<研究計画>
細胞性粘菌では、飢餓か引き金となって、数万個のアメーバ細胞が走化性誘因物質としてサイクリックAMP(cAMP)をオートクリン的に分泌し、このタイミンクが揃うことで進行波か形成される。渦上に回転しながら伝わるcAMP波の勾配を頼りに、細胞は走化性運動により集合し、細胞塊組織(マウンド)を構築する。この細胞塊中の細胞選別と集団的な運動について、運動・接着・場が相互に影響を及ぼしながら展開する動態として理解を目指す。特に、集合後期から細胞塊組織(マウンド)にかけて詳細な生細胞イメーシングと定量的な解析を行い、集団的な運動と自己組織化する誘因場とのクロストークを明らかにする。領域メンバーとの連携を通して、分子レベルのゆらぎや力場との関係にも注目し、汎用性をもったモデリングの枠組みを検討する。
<イメージ図>
<代表的論文>
1. Taniguchi, D‡., Ishihara, S‡. Oonuki, T., Honda-Kitahara, M., Kaneko, K. and Sawai, S. Phase geometries of two-dimensional excitable waves govern self-organized morphodynamics of amoeboid cells. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 110, 5016-5021. (2013). (‡ Equal contribution)
2. Masaki, N.‡, Fujimoto, K.‡, Honda-Kitahara, M., Hada, E. and Sawai, S. (2013) Robustness of Self-Organizing Chemoattractant Field Arising from Precise Pulse Induction of Its Breakdown Enzyme: A Single-Cell Level Analysis of PDE Expression in Dictyostelium. Biophys. J. 104, 1191–1202. (‡ Equal contribution)
3. Gregor, T., Fujimoto, K., Masaki, N. and Sawai, S. The onset of collective behavior in social amoebae. Science 328, 1021-1025 (2010).
4. Sawai, S., Guan, X.-J., Kuspa, A. and Cox, E.C. High-throughput analysis of spatiotemporal dynamics in Dictyostelium. Genome Biology 8, R144 (2007).
5. Sawai, S., Thomason, P.T. and Cox, E.C. An autoregulatory circuit for long-range self-organization in Dictyostelium cell populations. Nature 433, 323-326 (2005).