文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」平成22年度〜26年度

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動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成

公募研究

佐藤 純

金沢大学 脳・肝インターフェースメディシン研究センター
920-8641石川県金沢市宝町13-1 Bb43-1
TEL: 076-265-2843
FAX: 076-234-4239
E-mail: makotos@staff.kanazawa-u.ac.jp
研究室ホームページ:http://fsosato.w3.kanazawa-u.ac.jp/index.html



略歴
1995:東京大学理学部生物化学科卒、
2000:東京大学大学院理学系研究科 生物化学専攻修了(博士(理学))
1999-2000:日本学術振興会特別研究員(DC2)
2000-2002:カリフォルニア大学サンフランシスコ校 博士研究員 (Tom Kornberg研究室)
2000-2001:日本学術振興会特別研究員(PD)
2002-2007:東京大学 分子細胞生物学研究所 形態形成研究分野 助手 (多羽田哲也研究室)
2007-2008: 助教
2008より:金沢大学フロンティアサイエンス機構 特任准教授
2010より:さきがけ研究代表者(兼任)2011年より: Editorial Board Member of Developmental Biology
2012より:金沢大学 脳・肝インターフェースメディシン研究センター・金沢大学大学院 医学系研究科 教授


<研究課題>
A01由来の異なる細胞間相互作用による神経細胞移動制御機構の解明


<研究計画> 
脳の形成過程において規則的な神経細胞の移動が重要な役割を果たす。特に由来の異なる神経細胞が相互作用することが層構造形成・回路形成において重要な意義を持つと考えられるが、その分子メカニズムはよく分かっていない。ハエの視覚中枢はほ乳類の脳と多くの構造的特徴を共有しており、高度な遺伝子操作が可能であるため、脳神経回路の形成機構を研究する上で優れたモデル系である。ハエ視覚中枢の発生機構についてこれまでの研究から、接線方向に移動する神経細胞とその周囲の神経細胞がRobo/SlitおよびNetrin/Unc5の反発性シグナルによって双方向に作用し合い、層構造形成および神経細胞移動において重要な役割を果たすことが示唆されている。これらの予備的研究成果を基盤として各神経細胞の特徴的な移動パターンを制御する遺伝子の機能を解析し、細胞移動によって神経回路・層構造という秩序が産み出されるメカニズムを解明する。

<イメージ図>




























<代表的論文> 

Suzuki, T., Kaido, M., Takayama, R. and Sato, M. A temporal mechanism that produces neuronal diversity in the Drosophila visual center. Developmental Biology (in press).

Sato, M., Suzuki, T. and Nakai, T. Waves of differentiation in the fly visual system. Developmental Biology (in press).

Hasegawa, E., Kaido, M., Takayama, R. and Sato, M. Brain-specific-homeobox is required for the specification of neuronal types in the Drosophila optic lobe. Developmental Biology 377, 90-99 (2013).

Hasegawa, E., Kitada, Y., Kaido, M., Takayama, R., Awasaki, T., Tabata, T. and Sato, M. Concentric zones, cell migration and neuronal circuits in the Drosophila visual center. Development 138, 983-993 (2011).


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