担当講義Lectures
田中克典教授の担当講義について紹介します。受講者・受講希望者は参考にしてください。
生命科学Ⅰ
本講義では、生命科学を学ぶための基本的な事項の徹底修得を目指す。前半では、学生が生物の基本概念及び基本構造、細胞の構成要素の理解、および細胞のしくみ等の分子生命科学の基礎を学ぶことを目的とする。後半では、学生が現代分子生物学のハイライトであるDNAからRNA、タンパク質への流れ、バイオテクノロジー技術の原理、および植物の発生や光合成の基礎について学ぶことを目的とする。
各回ごとの授業内容
- 第 1回: 講義の概要、生物の基本概念と基本構造(生物の多様性を含む)
- 第 2回: 生物の増殖と恒常性
- 第 3回: 個体–環境相互作用(自然環境、生物群集、微生物を含む)
- 第 4回: タンパク質と酵素
- 第 5回: 核酸の構造とDNAの複製
- 第 6回: 遺伝子の発現
- 第 7回: 遺伝子発現の制御
- 第 8回: 有性生殖と個体の遺伝
- 第 9回: バイオテクノロジー
- 第10回: ゲノムと進化・系統(生物進化を含む)
- 第11回: 代謝と生体エネルギー生産
- 第12回: 光合成と窒素同化
- 第13回: 植物の発生(植物の環境応答を含む)
- 第14回: 細胞周期
染色体機能学
細胞の増殖や分化の過程の多くは染色体機能により制御される。又、染色体の動態の変動は、様々な疾患あるいは、生物種の進化とも密接に関連している。よって、染色体の忠実な複製と安定な維持、あるいは、組換えや転移による変動の分子機構を理解することは、細胞の増殖、分化の基本機構を理解するためのみならず、疾患の原因や、個体や種の多様性獲得の分子基盤を理解する上でも極めて重要である。 本講義では学生が、転写、複製、組換え、分配、エピゲノム修飾等といった個別の染色体機能についての理解は深めることを目的とする。その上で、染色体の諸機能がどのように連携し、その連携状態は様々な生物学的過程においてどのように経時変動していくのかを概説する。
各回ごとの授業内容
- 第 1回: はじめに(概説)
- 第 2回: 細胞核の基本構造
- 第 3回: 染色体と遺伝子構造
- 第 4回: ヌクレオソーム
- 第 5回: セントロメア・テロメア
- 第 6回: ヘテロクロマチン
- 第 7回: 細胞周期
- 第 8回: ゲノムを支える機能性非コード配列(インターメア)の機能
- 第 9回: コヒーシンとコンデンシン
- 第10回: 染色体の核内配置
- 第11回: 核膜構造・機能・ダイナミクス
- 第12回: 核内ボディーの構造・機能・形成機序
- 第13回: 核骨格と核タンパク質
- 第14回: 減数分裂期染色体構造とダイナミクス、総括