物理学科 物性実験 教員
栗田 厚(くりた あつし) 教授
専門分野:光物性、光物理学、レーザー分光
研究分野は広い意味の光物性物理で、主にレーザー分光の手法を用いて、光と物質との相互作用によって起きるさまざまな現象を研究しています。 最近は、ランダムな光学媒質中での光の特質や新しい光学現象・光機能の解明を研究の中心としています。 ランダムな光学媒質とは、光を散乱する微粒子が空間的に不規則に分散している媒質で、ここではさまざまな特有な現象が起きることが最近わかってきました。 たとえば、散乱が非常に強くなると、光が媒質中に捕らえられて動けなくなる「光の局在」現象です。 さらに、光の増幅媒質(2枚の合わせ鏡でできた共振器の中にこれを置くと、光が往復する間にどんどん強くなり、その一部を取り出したのがレーザー光です)をランダム媒質に混ぜ込むと、共振器が無いのにレーザー作用が起きるという、不思議な現象も発見されています。 一方、ランダム媒質と光反応材料を組み合わせると、入射した単色光の、周波数・波面の形・偏光の状態がすべて記録されるという、一種のメモリー効果が起きます。 レーザー作用も、光メモリー効果も、サイエンスとしておもしろいだけでなく、今までにない光機能の実現という、実用面での可能性もあります。
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高橋 功(たかはし いさお) 教授
専門分野:複雑系表面・界面、ナノ構造科学、回折物理学
固体表面は結晶成長や物質の融解・昇華、表面再構成など幾つもの重要な物理現象が起こっている場所です。また界面(インターフェイス)は異なる物質や異なる対称性を持つ相同士が互いに接する所であることから、電子やイオンなどの振る舞いを大きく支配しているのです。私はそのような表面・界面が関与する物理現象と構造との関連を知りたくて、数年来幾つかの物質の表面・界面構造(具体的には原子の配列や熱振動など)とその変化の研究を行ってきました。現実の研究は決して思った通りに容易に進んでいくものではありませんが、地道な努力の積み重ね(とプラスαのひらめき)によって一歩づつ夢が実現していくものと楽観的に考えて毎日を過ごしています。
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