宗教・外国語 教員
前川 裕(まえかわ ゆたか) 准教授(宗教主事)
専門分野:新約聖書学、福音書研究、本文批評
新約聖書のうち、特に福音書について、文芸批評的方法によって研究しています。これは「現代において聖書はどのような力を持ちうるのか」という疑問に基づいたものです。従来の聖書研究では、聖書を主に歴史的な資料として研究してきました。しかしそれだけでは、現代の私たちにとっての意味が必ずしも明らかではありません。文芸批評的方法は、小説のような一般文学作品に対する研究方法を聖書にあてはめ、二千年前の文書である聖書が21世紀の私たちを動かす力を考察します。
その他に、新約聖書の本文批評についての研究も行っています。新約聖書は原本が残っておらず、写本のみで伝えられています。人の手で書き写された多数の写本には誤りもあります。それらを理論的に検討し、限りなくオリジナルに近い本文を探し求めるという、地味ながらとてもエキサイティングな研究です。
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尾鼻 靖子(おばな やすこ) 教授
専門分野:言語学、語学学習分析
本来は理論言語学を専攻しましたが、豪州では日本語教育、現在は英語教育に携わっている関係から、語学学習における言語学的分析も行ってきました。
現在は日本語のポライトネスについて執筆中。日本語のポライトネスはどのような社会心理学的な要素が主流となっているのかを英語と比較しながら、その特徴を明らかにするのが目的です。この著書が仕上がれば、今後は英語のポライトネスを、日本人が英語学習でどのように学習するのかを明らかにする研究に取り組みたいと思っています。
理論言語学においては、ここ数年「照応」に興味があります。特に長いぶんしょうにおいて(テキストといいます)代名詞がどのようなパターンを持って変化するのかという点に興味があります。これまでは日本語の代名詞が小説の中でどのような意味合いを持って現れるのかを見てきましたが、中国語や英語も見ていきたいと思っています。
■業績リスト工藤 多恵(くどう たえ) 教授
専門分野:英語教育、動機づけ、教材開発
専門は英語教育で、外国語学習者の動機づけ研究と教材開発に取り組んでいます。まず、外国語学習者の動機づけ研究では、特に学習者のビリーフに関心をもち、その中でも、外国語教師に対するビリーフや学習者と外国語教師との心理的距離が、動機づけにどう関わっているかということに焦点をあて、特に習熟度の低い学習者との関連を調査しています。また、教師と学習者のビリーフの相違についても比較していきたいと考えています。求められる教師の役割や資質を明らかにし、外国語学習法や教授法の改善の一助となることを目的としています。次に教材開発では、最近では、リメディアル英語e-learning教材の作成に携わってきました。また、ビジネス英語入門や旅行英語のテキスト執筆も行ってきました。それぞれ分野が違った英語のようにみえますが、学習者のニーズに応えられるようにその都度、適切な教材を提供し、学習者の動機づけに少しでも貢献できればと思っています。
■業績リスト氏木 道人(しき おさと) 教授
英語教育、リーディング、語彙習得
私の専門は英語教育です。応用言語学とも呼ばれますが、第二言語が学習されるプロセスを解明し、それを外国語の指導に応用することに取り組んでいます。外国語のスキルには「聞く、読む、話す、書く」という4技能がありますが、私は「読む(リーディング)」に関心があり、英語を読む時に入力情報がどのように処理されテキストの理解に至るのか、またそのようなスキルはどういった段階を経て母語話者に近い状態に至り、いかに効果的に習得されるのかといった事をテーマとしています。最近は、リーディング処理に関わる音韻処理や語彙処理などの個々のスキルの「自動化」に興味があり、自動化を促す指導として、シャドーイングなどの音声指導の効果に注目しています。また読みの最中にどのような条件が揃えば、効果的に語彙が学習されるのかについても研究していきたいです。
■業績リスト住 政二郎(すみ せいじろう) 教授
専門分野:第二言語習得理論、教育工学、Computer-assisted Language Learning
人はどのようにして第二言語を学ぶのか,そして,そのプロセスに道具はどのように関係しているのか,という問に関心を持っています。この広い関心を一旦は教育機関のコンテキストに戻し,第二言語習得とテクノロジー利用の関係性について研究をしています。
■業績リスト山田 一美(やまだ かずみ) 教授
専門分野:応用言語学、第二言語習得、普遍文法
私の研究分野は「第二言語習得」といって、応用言語学という学問領域に属します。第二言語とは、簡単に言えば外国語のことです。第二言語習得研究の目標の1つは、私たちが第二言語をどのように習得していくのか、そのメカニズムを明らかにすることです。子どもの母語習得に比べ、大人の第二言語習得は多くの場合、なぜ不完全な結果になるのでしょうか。Chomskyは、子どもが母語を習得するときには、親などの周りの人たちからのインプット以外の「何か」=「普遍文法」の機能が含まれていると主張しています。それが母語習得を促進するわけです。では、第二言語習得においても「普遍文法」は機能するのでしょうか。私は現在、日本人英語学習者による代名詞、冠詞、語順、数詞の習得を検証していますが、「普遍文法」がどのように機能しているのか、言語学的見地から明らかにしたいと考えています。
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