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理工学部で学ぶ新入生諸君のために

ここでこれから学んでいく皆さんへ

理工学部長 北原 和明

北原学部長

桜がちょうど咲き始め、うららかな春の日差しが注ぐようになり、また、この会場でも、新たな門出を迎える新入生の緊張感を感じております。 本日は、ここに多くの皆様のご臨席を賜り、2019年度関西学院大学理工学部の入学宣誓式を挙行できますことは、真に喜びに堪えないところです。

理工学部 9 学部に入学された673名の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。 大学進学に向けて、一生懸命に取り組んできたことと思いますが、そのご努力に対して敬意を表します。また、暖かい愛情を持って皆さんを支えてこられたご家族の方々をはじめ関係する皆様に心よりお祝い申しあげます。

大学における新たな生活に対しては期待や希望があるとともに不安もあるかと思いますが、皆さんがこれまでに培ってきた力に加えて、これから様々な力を身につけて、有意義な学生生活を送って欲しいと思っております。

関西学院大学は、創立150周年を迎える2039年を見据えて、超長期ビジョンと長期戦略からなる将来構想「Kwansei Grand Challenge 2039」の実現に向けて着実に施策を進めています。これまでも、理学部・理工学部も常に先を見据えて常に発展を遂げてきました。よって、私からは、現在の理工学部に至る経緯、理工学部にも関わる全学のプログラムの紹介とともに、新入生へメッセージを送りたいと思います。

ご存知のように、関西学院は、1889 年、伝道者の育成とキリスト教主義に基づく青少年教育をめざし、アメリカ人宣教師ウォルター・ラッセル・ランバスによって創立されました。創立から130 年を迎える現在、関西学院は幼稚園、小学校、中学校、高校、11学部から成る大学、14研究科から成る大学院を擁する総合学園となっております。その中で理系学部はといいますと創立から約70 年後の1961年(昭和36 年)4 月に理学部が創設され、物理学科と化学科の2 学科から構成されていました。

学部のモットーは「愛をもって互いに仕えなさい」であり、他者への愛をもって、研究者・技術者・教育者として社会に貢献するというものです。2001 年(平成13 年)夏には、理学部拡充に向けて、西宮上ヶ原キャンパスから神戸三田(こうべさんだ)キャンパスに移転し、2002 年(平成14 年)4 月に理学部が理工学部に改組・拡充されました。これまでの物理学科、化学科に加えて、これから大きく発展する分野である生命科学科と情報科学科を新たに開設いたしました。

また、2009 年(平成21 年)4 月には、数理科学科、人間システム工学科(情報科学科の応用分野)を開設し、さらに2015年(平成27年)4月にグリーン・イノベーション(エネルギー・環境などの持続的発展)、ライフ・イノベーション(健康長寿社会の実現)をキーワードとする先進エネルギーナノ工学科、環境・応用化学科、生命医化学科の3学科を開設して現在に至っています。

このようにして、関学の理学部・理工学部はその時代や将来求められているものの先にあるものを見据えながら着実に成長してきております。

結果として、現在の理工学部の各研究室が取り組んでいる研究領域は、横軸を原理から応用、縦軸を社会・システムから自然・生物とする研究領域平面にほぼ満遍なく広がっている、つまり、理学・工学に関わる様々な領域の研究を行う研究室があるということになっております。

次に、理工学部にも関わる全学のプログラムとして、2014年からスーパー・グローバル大学創成支援を文科省から受けて、10年かけて2つのチャレンジ(理工学部は留学体験、ハンズオンラーニングなどが中心)で学生たちが自身を高める制度などを中心にプロジェクトが進められています。

もうひとつは、「AI活用人材育成プログラム」です。AI・データサイエンス関連の知識を持ち、さらにそれを活用して、現実の諸問題を解決できる能力を有する人材の育成を目的に、2019年度より文系・理系を問わず全ての学生が対象に行われます。 これらのプログラムは、大学自身も先にあるものを見据えて進めているものとなっています。

最後になりますが、新入生の皆さんに学生生活について3つのメッセージを送りたいと思います。

ひとつめは「学業について」です。

文部科学省は高大接続改革の中で学力の3要素を掲げています。基礎的な知識・技能を身に付ける「知識・技能」、知識・技能を活用し、自ら考え、判断し、表現する力を修得する「思考力・判断力・表現力」、学習に取り組む意欲をもつ「学びに向かう力・主体性」です。 今後、これらの3要素を図る大学入学試験が増えてくるものと思われます。しかし、これらの要素は大学入試に限ったものではなく、入学後、大学で学ぶ際に常に必要となる要素であることは明らかです。知識・技能を身に付けたり、思考力・判断力・表現力を修得するための授業・演習・実験・実習などは当然のことながら、理工学部にはすでに整えられています。となると1つめ、2つめの要素を推進させるには、3つめの要素である「主体性」が皆さんの学力を向上させる源になると考えられます。

聖書からの引用(マタイによる福音書 7章7〜12節)もそういう意味を込めて、主体性を促す内容を選びました。皆さんが主体性をもって行動する、皆さんがどういった結果、どういったものがあるかどうかわからない、向こうにあるものを目指そうとする、その先を進んでみようとするその姿勢を持てるようになって、初めて皆さんの学力の向上がなされ、成長につながるものと考えます。そのときに、その姿勢をサポート出来るものが、関西学院そして理工学部には数多く用意されているものと思っております。

ふたつめは人との関わりです。

日常生活において人との関わりは欠かせません。学生生活では、同じような専門性を身につけようとする同級生がいる、またはクラブ、サークルなどで文系の学生たちと知り合いに機会もあるかと思います。お互いの立場も理解しながら、自分自身の主体性を豊かになるような人との関わり、つながりを心がけて欲しいと思います。

3つめが大学院のことです。

現在、理工学部は大学院への進学率が約40%となっております。専門性を高めて、さらにその先に挑戦すること、自身の将来の可能性を広げるうえでは、大学院への進学は本学理工学部に限らず、理系の学部では非常に自然な流れとなっております。そういったことも頭に入れておいて欲しいと思います。この場では、ご家族の方々をはじめ関係する皆様もご臨席になっておられますので、共有してもらえればと思います。

繰り返しになりますが、理工学部に入学された新入生の皆さんが、これから自然豊かな三田の環境で、多くの仲間・教職員と交流し、充実した多くのプログラムから主体的に学び課題に挑戦する中で、それぞれの分野で活躍する人材として巣立っていくことを心より祈念して私の式辞といたします。

本日は、ご入学 真におめでとうございます。

(2019年4月1日 理工学部入学宣誓式にて)

Last Modified : 2019-09-09 18:30

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