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学生実験

実際にやってみよう

大学の講義は、1コマ90分間じっと座ってノートをとり続けるスタイルが多いのですが、自然科学の勉強では紙の上で考えるだけでなく、手を動かして測定したり観察したりすることが大切です。実際にやってみて確かめようと考えたのが、近代科学の始まりでした。ですから理論と実験とは切っても切れない関係なのです。簡単そうにみえることでも実際にやってみると思いもよらないことに気が付いたり、新しいアイデアが生まれてきたりします。未知の問題との遭遇は、意外に小さなきっかけから始まるものです。実験を通して、自然現象をよくよく見る目を養ってください。

基礎物理学実験Iの写真 基礎物理学実験I の風景

物理学科では、2、3年生に実験科目が用意されています。2年生の春学期の基礎物理学実験I は、理工学部内の他学科の学生も受講できるもので、基礎的な物理計測の技術を身につけ、データを解析し、レポートで報告する練習をします。秋学期の基礎物理学実験II は、物理学科の学生向けのスペシャルメニューです。実験計画を自分で立てることから初めて、自分で実験を組み立てられるようになることを目指しています。試行錯誤しながら実験を工夫していく楽しさを学んでくれたらと思っています。実験科目は、受講者は多いのですが、実験室にはゆったりしたスペースがあり、先生だけでなく実験助手や大学院生の教学補佐がいつでも質問に応じてくれますので、少人数授業のような親密な雰囲気があります。学生実験は、先生や友だちと互いに親しくなれるチャンスなのです。

3年生になると、3コマ(270分)通しでする物理学実験をします。8つある実験系の各研究室が実験を担当していて、X線、超伝導、光学的測定、物性測定、NMR、真空、エレクトロニクスなどの基礎的な実験だけでなく、研究室でしていることに関係するような実験も組まれていて、より高度な実験手法を身につけることを目指しています。

実験のレポートは大変!?

実験科目ではほとんど毎週レポートを提出しないといけません。たしかに最初は大変な作業ですが、練習して書き方の要領をつかめば、形式的な部分も多いですから読みやすいレポートを書くことができるようになります。まず、自分のデータをよく見て、問題は何なのか自分自身でよく考えて整理することです。実験条件は何か、どこまでが実験結果でどこからが推論か、どれぐらいデータの値は信用できるのか、疑問点は何か....そして論理、論理、論理です。他の人に自分のした実験をわかりやすく説明できないと、折角いい発見をしても認めてもらえません。レポートを書いて世界に情報発信する能力を身につけましょう。