環境特に細胞の周りの酸素濃度は細胞にとって、重要な働きをし、細胞の増殖は低酸素に始まり、酸化ストレスにて終わるとまで言われます。すなわち発生過程やがんでの細胞増殖では、多くの細胞が酸素を一度に利用するために低酸素状態に陥ります。低酸素状態は発生過程では血管を作ったり、心臓を作ったり、循環器形成には重要であると考えられています。最近私たちの研究室では、低酸素状態は細胞の幹細胞化を誘導し、再生医療に応用できないかを研究しています。一方で酸素濃度が高い状態(急激な変化)でみられる酸化ストレスは、DNAや蛋白質を攻撃し最終的にはがんを誘発したり、脳神経変性疾患であるアルツハイマー病などの進行を早めます。私たちの研究室では酸化ストレスを抑制することで寿命が延びることを明らかにして、その分子メカニズムについて検討しています。
キーワード:低酸素が引き起こす幹細胞化現象、酸化ストレス抑制がもたらす寿命延長
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