文部科学省科学研究費補助金「新学術領域研究」平成22年度〜26年度

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動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成

共同研究

2012年


2012年6月19日(火)
公募班の高鶴裕介(群馬大学大学)、玉田篤史(新潟大学)、六車恵子(理化学研究所)、松田知己(大阪大学)が名古屋大学にて共同研究の打ち合わせを行いました。






2012年4月16日(月)
木梨チーム(計画研究)では,「細胞接着の時空間制御による免疫動態調節機構」という課題に対して,リンパ球の移動のメカニズムを分子レベルから組織レベルに至るまで追及している。リンパ組織中のTリンパ球の移動は間葉系細胞と相互作用しながら非常に活発に起こることから、その動態の特徴を把握する必要がある。そこで、木梨、片貝智哉(連携研究者)は、上田昌宏(計画研究),高木拓明(連携研究者)を訪ね、動画をもとに討論し、動態解析手法について助言を得た。イメージング取得の詳細を工夫し、高木らがその動画をもとに粘菌動態との相違を抽出することができた。粘菌モデルで提唱された上田・高木の運動方程式をどのようにリンパ球動態に関連ずけられるか今後の課題である。また、リンパ球はケモカイン刺激による移動から潅流や抗原刺激による停止接着に至るまで多彩な動態を示す。これらの過程ではインテグリンLFA-1がすべての過程で関与しており、細胞外領域のコンフォメーションが刺激に応じて変化していることが従来の解析から予想される。そこで接着・動態変化とLFA-1とICAM-1の結合動態がどのように関連しているか明らかにするため、上田、石橋宗典(連携研究者)らと連携し、LFA-1の一分子解析に取り組んでいる。木梨らが一分子観察に適した細胞系を構築し、石橋らとともにイメージングが行えるようになった。今後、ICAM-1上でのLFA-1分子の拡散動態から結合速度に関する情報を抽出し、数理モデルに基づいた結合動態を明らかにする予定である。





2012年4月13日(金)
仲嶋チーム(計画研究)では、「動いて脳を作る細胞群の動態制御機構」という研究課題を設定し、 マウス大脳皮質を構築するニューロン群がその誕生部位から最終配置部位に移動する過程が、周囲の構造や細胞外基質等との相互作用を通じていかなる機構で制御されているかを明らかにすべく取り組んでいる。細胞移動の研究ですぐれた実績のある血液細胞の実験系を、領域内の共同研究としてニューロン移動の解析に応用すべく、仲嶋と大学院生が木梨達雄(関西医大)の研究室を訪ねて実験手技の指導を受けた。さらに、頻回のメールや電話での意見交換、直接生データを見ながらの討論の他、さまざまなサンプルの提供を受けて精力的に共同研究を遂行中である。このようにして得られた研究結果は、現在論文として発表すべく準備中である。





2012年4月13日(金)
宮田チーム(計画研究)では,「神経前駆細胞の動と静を制御する場と集団の原理」という課題に対して, ライブ観察や機能実験によって取り組んでいる. その中で, 細胞の大集団の中での特定の細胞の分布の様子を定量的, 統計的に理解する必要に迫られた. 宮田, 岡本が上田昌宏(計画研究), 高木拓明(連携研究者)を訪ね, 手持ち動画を示し, アプローチ法について上田・高木らから助言を得た. その後, 高木による解析ソフト作成・提供を経て, 目的とする細胞の分布に「ランダムである」, 「ややクラスター化の傾向にある」などの評価を与える事ができるようになった. このようにして得たデータも含む内容で学会発表(2011年 9月 日本神経科学会 岡本他, 2012年 5月 日本発生生物・細胞生物 合同学会 篠田他)を行うに至った.




2012年2月27日(月)~ 29日(水)
関西学院大学にて、西脇清二(計画班員)グループが共同研究の一環として名古屋大 学理学研究科の高木新(公募班員)グループの田中洋希(大学院生)を受け入れ、線 虫C. elegans細胞のライブイメージングを行った。 ニボウディスク型共焦点スキャ ナユニットを利用して、発生にともなう線虫個体内での表皮細胞の形態変化を数時間 にわたり記録した。また、蛍光標識したタンパク質分子の表皮細胞内における動態を ライブ観察した。


  
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