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Maple 操作の間違えやすいところ

積は・を推奨します

x と y の積は xy ではうまく行きません. x ・y とやればうまく行きます. * を入力するとMapleでは・が表示されます. 実は x と y の間にスペースを入れて x y のようにしてもいいのですが,スペースは目立たないので入れ忘れても気づかないことがよくあります.対策としては ・を使う習慣をつけるのが一番いいと思います. どうしてもスペースがいいというなら,表示>zoom factor で字を大きくしましょう. こうすればスペースの有無がわかりやすくなります. 下のキャプチャ画像では150%にしています.
なお,・かスペースが必要なのは a (x - y) や (x + y) (x - y) のときも同様です.

エラーメッセージ

よくあるエラーメッセージを覚えておくと便利です.delimiter は各種の括弧 () {} [] のことです. 括弧を閉じ忘れると Error, unable to match delimiters というエラーが出ます. 下の画像の一つ目のエラーは ) が足りないために, 二つ目は } が足りないために起きました. このエラーを避けるこつは,先に factor(), simplify(, {})のように閉じ括弧まで打って,後から()の中身を入力することです.また,下の画像の (1) のようにこまめに改行 (shift+enter)を入れ, 適度に字下げすると言う手もあります. 入力済みの字の前に戻って shift+enter しても利きません. 先に shift+enter して行を増やしてから文字を打たねばなりません. (1) の場合だと,行を増やしてから閉じ括弧 ) を入力するわけです.

次に,argumentは議論ではなく引数 (ひきすう) のことです.引数というのは関数の独立変数みたいなもののことです. 例えば eval を eval(式, x = a) のように使うとき, この式とx=a が引数です. つまり引数が2つです.
eval には eval(一つの式, 複数の式の集合またはリスト) のような使い方もあります.集合は { } でくくったもの, リストは [ ] でくくったものです.くくることにより, 複数の式がひとつの引数になります.結局, この用法の場合も引数は2つです. 下の画像にある Error, invalid input: eval expects 1 or 2 arguments, but received 3 というエラーは, eval の引数は1つか2つのはずなのに3つもあっておかしいと言っています. x-y, x=3, y=1 で3つなのです.x-y, {x=3, y=1} とすれば引数は2つになってうまく行きます.

% の意味=ついさっき計算した結果≠直前の行の結果

1+1 enter 1+2 enter とした直後は %は3です. したがって下のようになります.

ここで,上の方にカーソルを持って行って, もう一度最初の計算を実行します. 下の画像は実行直前ですが, 実行した直後には%は2になります.(3)式が自動的に書き変えられるわけではありません. コンピュータ内部で%に蓄えられた値が2に変わるのです.

カーソルを下に持って行って調べてみると, 確かに%は2です. 出来上がった画面だけ見ると (4) における%は(3)の結果である3ではないかと思ってしまいがちです. しかし,そうではないのです

計算がうまく行かないときに, 遡って修正・実行することがあると思います. そういうときに%の中身が置き換わることを認識していないと, %を使った計算がおかしくなってしまいます.

こういう癖を知った上で使うのなら%はとても便利です. 例えば,決して上のプロンプトに遡って修正しないことを習慣付けておけば大丈夫です. %を使うのを避けて, 代わりに Ctrl+l で式番号を使うこともできます.

aa:=123.4567+76391.0937 のようにして計算結果に名前をつけるという手もあります.何かに a という名前をつけた後でそのことを忘れてしまって,a という文字を (特定の値を持たない) 単なる文字のつもりで使ってしまうことがあります. 人間は忘れていても Maple は a の値を覚えているので,予想外の結果が出ます. こういうことを避けるためには,名前は2文字以上,例えば aa や a1 のようにするという方法があります. solution のように意味のある名前を使うのもいいでしょう. あるいは,こまめに restart でリセットするのもいい習慣です.

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