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卒研選択のために |
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2006年度 瀬川研究室 | ![]() |
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ゲノムというメモリーから情報を読みだしてタンパク質に変換し、タンパク質と核酸を構成要素とした巨大分子構築物が生命として機能するという物質観が確立されました。いくつかの生物に対してはゲノムの全文字列が解読されましたが、ゲノムに書き込まれたタンパク質は構造も機能もまだほとんど未知のままです。ゲノムに書き込まれたプログラムとなるともっと不明の状態ですが、タンパク質を遺伝子から発現・精製し、その分子の構造や機能を測定する技術は大きく進歩しています。ゲノムという生命のソースプログラムを解読するためには、機能素子であるタンパク質の物理的性質の解明が不可欠です。 20世紀前半に確立した原子・分子科学の延長線上に生命科学が開花しました。21世紀は生命科学の時代だといわれますが、生命科学イコール生物学ではありません。物理科学的な方法で解明すべき多くの問題が存在します。2002年のノーベル化学賞は質量分析法とNMR分光法という、タンパク質を巨大分子として直接観測する装置の開発に授与されました。DNA塩基配列決定法という化学的方法論が生物学に革命をもたらしたように、質量分析法やNMRは生体中の巨大分子の質量や空間構造という物理量を測定して生物学に革命的影響を与えると評価されたのです。生命を真に理解するためにも、生命科学を真に応用するためにも、生体物質に対する物理科学的な方法論がますます重要になっています。 |
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私は「タンパク質の折りたたみ反応機構」を研究しています。長いひも状の鎖状高分子が水溶液中でコンパクトな球状の正しい秩序構造を回復する過程を原子レベルの分解能で実験的に追跡し、巨大分子の構造構築原理を物理科学的に理解することを目標としています。構造形成反応の途中にあるタンパク質の構造を観測するためにPulse-FT-NMR分光法を用います。特に最近は、タンパク質の折りたたみ反応初期の構造を観測するために、人工的にS-S結合を欠損させたリゾチーム変異体を研究しています。すなわち、天然リゾチームを人工的に改変した遺伝子を組み込んだ大腸菌を培養して、標的のリゾチーム変異体を抽出・精製し、そのNMRスペクトルを測定して構造解析します。巨大分子の一部が壊れてポリペプチド鎖がほどけている部分と、鎖が固く折りたたまれている部分を原子レベルの解像度で決定します。また質量分析計という新兵器を用いて、1次元の長いひも状のポリペプチド鎖が折りたたまれる途中に、どのような2次元的な構造が形成されるのか研究しています。さらに分子科学に基づくタンパク質の折りたたみ過程の理論的な研究も行っています。数年前から分子動力学計算を始めました。S-S結合欠損リゾチーム変異体を、約16,000個の水分子で取り囲んだ複雑な分子のシステムを計算機の中に構築して、10nsの分子動力学計算を実行します。得られたタンパク質の立体構造の揺らぎを主成分分析という手法で解析しています(トップページのアニメーション)。参考のために瀬川研究室の大学院生が学会発表した研究の要約を以下に掲載しておきます。 | ![]() |
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2005年度生物物理学会(2005.11.23-25、札幌コンベンションセンター) |
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以下の名前をクリックするとポスターのPDFファイルが表示されます。 |
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「生命とは何か」を物質的に突きつめていと、結局「原始生命とは何だったのか」という問いにたどり着きます。原始生命体とは、情報をになう核酸と触媒機能をもつタンパク質を構成要素とする自己複製反応系です。これらの分子の集団が、水を媒質として互いに連携を保ちながら明確な識別反応を行い、自己複製し、自然淘汰を繰り返して作り出される秩序構造が生命といわれるものです。生命の起源や分子進化、生物情報学のような関連分野を勉強しながら、物質としての生命像を物理科学的に創造していくことが私の楽しみです。多彩な(多才ではない)卒研生が集まり、それぞれの夢と才能を生かしながら研究を楽しめる研究室にしたいと思っています。 | ![]() |
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