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パルス・フーリエ変換・NMRの測定原理 | |||||||||||||||||||||||||||||
パルス・フーリエ変換・NMRという測定方法では、パルス状の電磁波をタンパク質に照射します。それに応答してタンパク質はFIDという電気信号を返してくるので、それをコンピュータに読み込んでフーリエ変換し、FID信号の周波数スペクトルを測定します。それはタンパク質の立体構造上に分散するプロトンの固有のラーマ周波数を表わしています。 | |||||||||||||||||||||||||||||
時間軸から周波数軸 へのフーリエ変換 |
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FID信号(時間軸上の信号) | NMRスペクトル(周波数軸上の信号) | ||||||||||||||||||||||||||||
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多次元NMRスペクトル タンパク質の構造を解析するためには、タンパク質のポリペプチド主鎖に沿うH、N、Cαの共鳴周波数を測定する必要があります。原子の数が非常に多いため、1次元NMRスペクトルでは1Hのピークだけでも重なり合って、それぞれのピークを区別することができません。そのため特別なパルス列からなる電磁波を、1Hと15Nあるいは13Cに同時に照射して、連結した15Nと1H(あるいは13Cと1H)の核の共鳴周波数を2次元平面上の交点の座標として同時に決定することができます。これを2次元NMRスペクトルといいます(下図参照)。最近ではさらに、3核を同時に照射して3次元の周波数空間上にスペクトルを描く多次元NMR法が用いられています。 |
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ポリペプチド主鎖 | |||||||||||||||||||||||||||||
図をクリックすると拡大します。交差ピークの名前は残基番号とアミノ酸名です。 | |||||||||||||||||||||||||||||