当研究の研究に興味を持たれた方は、松井まで電子メールでご連絡下さい。
直接の研究室訪問も歓迎いたします。
※全体で25分の動画です。時間に余裕のある時に視聴下さい。
関西学院大学 神戸三田キャンパス(KSC)は、世界有数の放射光施設SPring-8 を擁する兵庫県に位置し、最先端の科学に身近に触れられる、恵まれた環境にあります。大学に入学すると、独自の教育プログラムや研究室への早期配属、最先端の研究に触れる機会が用意されています。
「将来やりたいことがまだはっきりしていない」「理系に興味はあるけれど、自分に向いているのか分からない」――そのように感じている人も多いのではないでしょうか。大学は、最初から明確な目標を持っていなければならない場所ではありません。むしろ、さまざまな経験や出会いの中で、自分の興味や可能性を少しずつ見つけていく場所です。
関西学院大学は、「Mastery for Service (奉仕のための練達)」という建学の精神を大切にしています。これは、自らを高めた知識や技術を、社会や他者のために役立てていくという考え方です。理系の学びや研究もまた、新しい技術や知識を生み出すことで、社会の課題を解決し、人々の生活を支える力になります。
理系の世界は、決して特別な人だけのものではありません。身の回りの「なぜ?」に目を向け、それを考え続けることが、研究の第一歩です。私たちは、「研究者になりたい」という明確な目標を持つ方はもちろん、「まだ分からないけれど挑戦してみたい」という気持ちも大切にしながら、その一歩を全力でサポートします。
松井研究室では、X線が物質を壊さずに中身を"透かして見る"ことができる性質を活かし、
・分光(エネルギーごとに分けることで、元素や化学状態を知る技術)
・イメージング(目で見て理解できる画像として捉える技術)
の2つの要素を融合させた、独自の計測・解析手法の開発に取り組んでいます。さらに、ナノ〜マクロにわたる物質の多階層構造にアクセスできる顕微技術も組み合わせることで、異なるスケールの情報をつなぎながら、材料の本質に迫ります。
では、なぜこのような技術が重要なのでしょうか。
例えば「触媒」を考えてみてください。触媒は、エネルギーや環境、化学産業の根幹を支える重要な材料です。しかし実際の触媒は、単純な物質ではなく、粒子の集合体であり、その内部には複数の結晶や異なる材料が複雑に混在しています。さらに、反応が起きるのは粒子全体ではなく、表面のごく一部に存在する活性点であり、その状態は周囲の環境によって刻々と変化します。つまり、「どこで・何が・どのように起きているのか」を正確に捉えることができなければ、本質的な理解には到達できません。しかし従来の手法では、平均化された情報しか得られず、このような局所的かつ複雑な現象を直接捉えることは困難でした。
松井研究室では、分光・イメージング・顕微技術を融合することで、ナノからマクロにわたる階層構造の中で、局所の化学状態と機能を結びつけて理解することに挑戦しています。これにより、これまで見えなかった反応の実像や、材料の機能を支配する本質的な要因を明らかにすることが可能になります。このような知見は、触媒だけでなく、電池、吸着剤、材料開発、接着技術、デバイスなど、幅広い分野に応用され、より高性能で持続可能なものづくりへとつながっていきます。
松井研究室で身につくのは、単なる分析技術だけではありません。 「多階層にわたる複雑な現象を、その場で、時間・空間的に、化学として理解する力」を養います。最先端の計測技術とデータ解析を武器に、これまで見えなかった現象を自らの手で解き明かしていく――そのような研究に興味がある方にとって、ここは大きく成長できる環境です。
研究室は、同じ志を持った学生・研究者が集まり、ともに学び、成長していく場です。理系の学生にとっては、ここが社会へ踏み出すための大きなステップになります。これまでの講義のように「教わる」だけの学びとは異なり、研究室では、「自ら考え・計画し・行動し・その成果を発信する」ことが求められます。最初は戸惑うかもしれませんが、その経験こそが、将来に直結する力になります。
また、講義で学ぶ知識と、実際の研究で必要とされる力にはギャップがあります。そこで当研究室では、
・広範な科学現象に興味を持ち、俯瞰して捉える基礎力
・課題の本質を見抜き、一般化して考える力
を身につけることを重視し、個別・グループ単位での指導を行っています。
研究室セミナーでは、
・外国書購読(英語論文を用いた勉強会)
・輪講(専門書や論文を用いた勉強会)
・研究報告・実験報告(研究の進捗発表と議論)
に取り組み、発表と質問を通して理解を深めます。繰り返し挑戦する中で、「表現する力」や「考えを言葉にする力」、「人の意見を受け止め、判断・行動する力」が身についていきます。
当研究室では、大型放射光施設SPring-8の理化学研究所の施設にて実験を行っており、世界最先端の環境で研究を行うことができます。理化学研究所と連携して若手研究者の育成にも力を入れており、SPring-8を用いた研究に取り組む学生は、理化学研究所の研修生に登録しています。博士前期課程(修士課程)への進学を必須としていますので、配属を希望する学生はご注意下さい。
さらに、博士後期課程(博士課程)への進学も推奨しています。
本学では博士課程学生に対する授業料免除制度(大学院研究者育成奨励金)が整っており、経済的な負担を抑えながら研究に専念することが可能です。さらに本学研究科出身の博士人材を特別任用助教として採用する制度(若手研究者スタートアップ制度)も始動させています。また、日本学術振興会特別研究員(DC)の申請についても、採択に向けて戦略的なサポートをします。博士課程で得られる経験は、研究者としてだけでなく、その後のキャリアにおいても一生物の大きな強みとなります。
一方、学部卒での就職を希望する学生においても、モチベーションが高く、進学希望の学生と切磋琢磨できるのであれば歓迎します。ただし、近年の就職活動の早期化により、教員からのサポートにも限界があるため、自ら主体的に動けることが前提となります。
当グループ(研究室)の卒業生は、インフラ・自動車・エネルギー・化学メーカーなど幅広い分野で活躍しています。現在、放射光を活用した材料開発は産業界で急速に重要性が高まっており、この分野での研究経験を持つ人材は強く求められています。社会に出た後も活躍し続けることができる人材へと成長できるチャンスですので、是非挑戦して下さい。
コアタイムは10:00〜17:00としていますが、厳格な管理をするのではなく、各自の主体性を大切にしています。研究室の学生は、それぞれが責任を持って行動し、この時間を目安として適切に守っています。そのような信頼関係のもとで、落ち着いた研究環境が保たれています。新たに加わる学生は、この雰囲気や姿勢を大切にし、研究室の良い文化を引き継いでもらえることを期待しています。
週末にSPring-8への出張・実験が入ることが多いです。半年おきに予定が組まれ、事前に予定がわかるので、アルバイトをする学生は注意すること(実験が優先)。なお、出張後の代休は認めています。
研究において事故を未然に防ぐためには、実は掃除がとても大切です。そのため当研究室では、週に一度、全員で時間を合わせて掃除を行っています。掃除係の指示のもと、ルーティンの掃除に加えて、重点的に掃除する場所を設定して、継続的に安全で快適な環境を整えています。
当研究室では、国内外での学会発表を積極的に奨励しており、大学の規定に基づいて旅費の補助も行っています。日本化学会、触媒学会、錯体化学会、日本放射光学会などを中心に、各自の研究テーマに応じた専門分野の学会で発表を行います。
目標として、修士修了までに全国大会規模での学会で口頭発表を行うことを掲げています。自らの研究成果を専門家の前で発表し、議論を通して理解を深めることは、研究者として大きく成長する重要な機会です。
学会発表に向けては、研究室でのセミナーにおいて十分な成果と理解を積み重ねることが前提となります。さらに、発表前には予聴会を実施し、内容の妥当性やプレゼンテーションの質について徹底的にブラッシュアップを行います。
配属を希望する学生は、原則、松井と面談を行うことを求めます。面談はいつでも受け付けていますので、気軽に連絡して下さい。