大学入学から3年間、純粋数学系の科目の勉学に励んできた諸君は、代数、幾何、解析などの諸分野の代表的な古典論を習得しつつ、ものの関係から自ら数理構造を構築する能力を養成してきている。この能力は非常に重要であり、昨今発展がめまぐるしいAIがいくら進化し、人が行うさまざまな動作ができるようになろうとも機械やコンピュータには到底及ばない能力の一つだと思う。なので、ぜひその優位性を実践社会で発揮できるようなってほしい。
特別演習では、どのように数理をうまく用いるかを具体例を通して学ぶため、いくつかの自然現象を例にとり、数理的に考察していく。実験観察を自ら行い、自らデータ採取し、その関係性を考えていく。実習とその数理解析により、現象の関係性を実際に手に取ってみて、高度な数学がどのようなに使われているか、逆にまた単純な数理がどのように画期的な結果をもたらしているか、それぞれ実際に触れてみて、自らものの関係作成とその社会への応用へと進めるように知見を積んでいってもらいたい。こういったことを念頭におきつつ、特別演習を構成し実施していく。