関西学院大学理工学部 物理学科 |
関学で宇宙を語ろう ー若者へのメッセージー
『日本発イオンエンジンのおこす宇宙探査イノベーション』
『見えないX線で観る宇宙』
國中先生は、はやぶさのイオンエンジンの開発を手がけられ、またはやぶさ2のプロジェクトマネージャをも務められました。はやぶさで採用されたイオンエンジンは、欧米の化学燃料を用いたエンジンより推進力ははるかに劣るものの非常に高い効率を持ち、長時間にわたって探査機を加速し続けます。これによって、小さいけれどもこつこつ加速することで、世界初のサンプルリターンを成功に導いたのです。初代はやぶさは、何度かのエンジンのトラブルに見舞われましたが、國中先生を初めとするチームのアイデアによって窮地を切り抜けました。この逸話は、映画などで『こんなこともあろうかと』というエピソードで語られています。このイオンエンジンの開発を手がけられ、国産のエンジンとして実用化に成功された國中先生のアツい開発者魂に満ちたお話をお聞かせ頂けることと思います。
平賀先生には、X線によって宇宙のどのような姿が見られるのかについてお話いただきます。遠い宇宙の姿をとらえるには、いわゆる電磁波(光や電波の総称)をとらえる必要があり、それぞれ観測する波によって、電波天文学、赤外天文学、X線天文学などと名前が付けられています。X線はその中でも波長が短く、私たちの肉眼ではそれを感じることもできません。一方で、X線はその透過力の強さを生かして胸部などのレントゲン写真を撮るのに用いられています。しかし、残念ながら大気による吸収のために、地上では宇宙からのX線はとらえることができません。そのため、X線の観測には衛星が必要となります。平賀先生は、X線のセンサーであるCCDの開発や性能評価も行っておられ、そのCCDなどで観た、目には見えないX線は宇宙のどのような姿を私たちに見せてくれるのでしょうか。