検算しよう
ちょっとした検算をするだけで計算ミスを発見することができる.
例えば漸化式を解いて数列の一般項を求める場合を考える. 苦労して一般項を求めても,途中で係数が脱落したり 符号を間違えたりしているかも知れない.そこで, n=1 とか n=2 を代入して正しい値が出るかどうか確かめると良い. それくらいはすぐに出来るのだから,やらないと損である.
ある関数 f(x) の 不定積分の計算を求めたとき,その答えを微分して本当に f(x) に戻るかどうか確かめると良い. 一般に積分よりは 微分の方が簡単なのだから, 検算しないと損である.
加法定理などを用いて三角関数の面倒な式変形をしたとしよう. 本当にあっているかどうか確かめるために, θ=π などの 特別な値を代入してみて両辺の値が一致するかどうか 確かめると良い.一般の θ で計算すると長い式になるときでも, 特別な値についての計算は大した量でない. こんなちょっとした計算くらい,やらないと損である.
線形代数において,掃き出し法やクラメルの公式などで 連立1次方程式を解くとしよう. 解を求める計算は面倒である. しかし,いったん数値が出たら,それが本当に解になっているかどうか 確かめるのは簡単である. 方程式に代入して見ればよい. すぐできるのだから,やらないと損である.