第11回数理科学研究センター談話会

[2015年10月14日]
第11回数理科学研究センター談話会のお知らせ

場所112教室(神戸三田キャンパス理工学部7号館1階)
今回は3件の講演です.

 

講演題目 「植生・気候フィードバック拡散モデルに関する数値シミュレーション」
講演者 陰山 真矢(大阪大学大学院情報科学研究科情報数理学専攻 D1)
日時 2015年10月14日(水)10:00-10:30
講演内容

Lovelockは地球が気候や化学物質を自己調節する巨大なシステムを持つという仮説を立てた.それを単純化して作ったモデルがデイジーワールドである.これは明度の異なる2種類のデイジーが次第に太陽光が強まる惑星で成長を競い合い,それによって大域的な気温をデイジーの成長に最適な値へと自律的に調節する仮想モデルである.WatsonとLovelockはこれらを単純な方程式に定式化したデイジーワールドモデルを導入し,惑星が温度を自己調節することが可能であることを示唆する結果を示した.本講演では,既存のデイジーワールドモデルの改良を目的としデイジーの拡散効果を加えた2次元植生・気候フィードバック拡散モデルについて説明し,そのパターンについて発表する.

 

講演題目 「アリの長期間行動データを元にしたデータ解析」
講演者 山中 治(広島大学大学院理学研究科数理分子生命理学専攻 D1)
日時 2015年10月14日(水)10:30-11:00
講演内容

「社会性昆虫」のアリは,周囲の状況に依存して様々なタスクを柔軟にふりわけ,コロニーが必要とするタスクをこなしている.タスクには,卵や幼虫の世話,巣の管理,採餌などがあげられ,個体ごとの役割はリーダー無しで発現される.この複雑なタスク分割の仕組みについての定量的な検証は,アリの個体識別を長期間続けることが困難なことから十分行われていない.そこで本研究では,極小RFIDチップを個々のアリに取り付け,PCにデータを転送し個体識別を行い,採餌回数の自動計測,解析を行った.

 

講演題目 「保存量を持つセルオートマトンの解析について」
講演者 延東 和茂(早稲田大学大学院基幹理工学研究科数学応用数理専攻 M2)
日時 2015年10月14日(水)11:10-12:00
講演内容

セルオートマトン(CA)とは,全変数が離散的であり,状態変数の値域が有限集合となっている時間発展系である.CAは元々決定論的な挙動を表現する系だが,確率変数を導入することによってランダムな挙動を見せる系(確率CA)を生み出すこともできる.本講演では,保存則を持つCAや確率CAについて,保存則によって保たれる局所的な状態のパターンが空間を移流する様子(流束)と,状態の密度との関係を解析するための手法である基本図を導出することを主な目的とし,発表を行う.

 

数理科学研究センター談話会  

— posted by darkstar at 04:09 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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