4.超好熱菌酵素の有効利用

   超好熱菌の酵素は100℃を越える温度で機能するものがあります。 しかもこれらは有機溶媒、界面活性剤などの変性環境でも変性しにくい 性質を持っています。この性質に注目すれば酵素の逆反応が可能になります。 さらに究極の反応場である超臨界流体環境で酵素反応を行うことげできれば 超高効率なターンオーバーが実現します。例えば膜脂質を構成するポリイソ プレン部分を合成する酵素を超臨界流体環境で機能させることで、人工ゴム の合成が実現します。また、分子シャペロニンなど超好熱菌の蛋白質安定化 支援システムを利用すれば酵素の安定化が可能になります。 私たちは、 耐熱性酵素のもつ耐熱性以外の利点を生かし、酵素反応の新しい可能性を探りたい と思っております。

藤原伸介, 福崎英一郎 現代化学 9月号 14-20 (2002)
Fujiwara,S. et al., Biotechnology Advances (2002) in press



研究概要に戻る