2.Archaeaの生化学的特徴

  分子系統的位置づけから、始原菌(Archaeaに属する 微生物)は真核微生物との共通点が多いことが予想され ますが、必ずしもそうではありません。形態的に原核生物 であり、リボソームの大きさも他の細菌と同様、30Sと 50Sです。補酵素の要求性も細菌と似た特徴を示します。 ところが、膜構造には始原菌特有の特徴があります。 また、複製、転写、翻訳といった遺伝情報を処理する 過程には真核生物のメカニズムが随所に認められます。 アミノアシルtRNA合成酵素は細菌と真核生物が酵素の構造 キメラです。細胞分裂周期の調節、ヒストンによるヌクレ オソーム構造などは、細菌にはない特徴です。また、一部 の遺伝子では翻訳後にタンパク質スプライシングが起こり ます。

今中忠行, 藤原伸介 日本油化学会誌 46, 525-533. (1997) Schmitt, E. et al., EMBO J. 17, 5227-5237. (1998) Fujiwara,S. et al., Biotechnology Annual Rev. 4, 259-284. (1998




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