何とか乗の読み方(英語)

xn は英語では x to the nth power と読めばいいのだが,n が長い式に置き換わった場合にどう読むか困ってしまう. 欧米人の講演を聞いていると x to the (長い式) と言っているようだ.-th power の部分がないわけで,the が何に掛かっているのか説明がつかない.変な感じだが,Andy Weir の Project Hail Mary に次の用例がある.

ついでに,この本には次の例もある.

Stephen BaxterVacuum Diagrams という短編集がある.ハヤカワ文庫から『プランク・ゼロ』『真空ダイアグラム』の2冊に分けて邦訳が出ている.この中に The Gödel Sunflowers という短編がある.(『真空ダイアグラム』の『ゲーデルのヒマワリ』). ものすごい量のデータを蓄えたストレージが発見されるという話で,何とか乗という言い回しが何度も出てくるので引用する.ページはEOS版ペーパーバックによる.

バクスターはケンブリッジで数学の学士号を取った人だから信用していいと思う.ただし,イギリス固有の言い方だという可能性は残る.

また,バクスターとアーサー・C・クラークの共著 Sunstorm (『太陽の盾』) では

などの用例がある.というわけで,クラークのお墨付きも得た.ちなみに,この三部作は一作目の Time's eye は今一つだが,二作目の Sunstorm と三作目の Firstborn は大変面白い.劉慈欣 Liu Cixin の 『三体II:黒暗森林』 The Dark Forest を読んで思い出したのがこれら二作である.

バクスターばかりだが Timelike infinity (『時間的無限大』) で面白い用例を見つけた.これは時間もので,15世紀後の世界から来た Shira が隠し事をしているので Meriam がいらだって次のように言う:

Timelike infinity (『時間的無限大』) にあるその他の例 (ネタバレの恐れあり)

"ten to power" でググってみるといろんなサイトが見つかる.例えば IBM のサイトにある Ten to Power 14 という記事

ジョン・ヴァーリイの『カンザスの幽霊』 The Phantom of Kansas より

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