平面上の点 P と2定点 F1, F2 との距離の積
F1P・F2P が一定であるような点 P の軌跡を
カッシーニの卵形線という.
座標平面内で,2定点を F1(-1, 0), F2(1, 0), 動点を
P(x, y) とすると,
距離の積の2乗は
z = f (x, y) のグラフは次のような曲面である. 等高線や曲面の図から f (x, y) は,(-1, 0), (1, 0) で 極小値をとり,(0, 0) は鞍点であることが観察される. 実際にこれらを確かめるのは,2変数関数の微分法の練習問題である ( [2] IV.3.7 3-8, IV.4.3 参照).
カッシーニは惑星の軌道が卵形線であると考えたが, 惑星の軌道は焦点の一方に太陽が位置する楕円であることをニュートンが示した. 楕円は2定点 F1, F2 からの距離の「和」 F1P+ F2P が一定であるような平面上の点 P の軌跡である ([3] 第2章 II 3節参照).
上の2つの図は Maple8 を用いて作成した.レムニスケートは 極方程式 r 2=cos 2θ を用いて polarplot コマンドにより描いた. 3次元プロットは次のコマンドで出力した.
plot3d((x^2+y^2)^2-2*x^2+2*y^2,x=-1.5..1.5,y=-1..1, axes=boxed,view=[-1.46..1.46,-0.57..0.57,-1..0.25], style=patchcontour,scaling=constrained,projection=0.8, orientation=[-110,50],grid=[100,100], labels=[x,y,z], labelfont=[TIMES,ITALIC,14], axesfont=[HELVETICA,12], lightmodel=light4);
関連ページ トーラスの切断
1 示野信一 『Maple V で見る数学ワールド』, シュプリンガー・フェアラーク東京, 1999.
2 ハイラー/ワナー 『解析教程 下』, シュプリンガー・フェアラーク東京, 1997.
3 ニーダム 『ヴィジュアル複素解析』, 培風館, 2002.
4 Cassini Ovals
from MathWorld.