生命科学U

現在生命科学においては、分子レベルでの生命現象の解析 が進行しつつある。その中で最も大きな功績の一つは、 ヒトや細菌類などのゲノム解析の達成である。この講義で は、生命現象解明のために分子生物学者たちが歩んできた 道と、それによって得られた功績の例として、受容体やセ ンサー蛋白質の働きを紹介する。

生命科学倫理

最新の遺伝子操作技術は人類に多大な影響をしてきたが、 同時に様々な社会問題を引き起こしつつある。ここでは 生命科学に関して倫理的な問題とは何かについて項目を 整理して提示するとともに、なぜそれらが倫理上の問題点 としてクローズアップされているのかを学習する。また、 生命科学者が研究を行う上で意識しなければならない問題 点と安全を確保するための取り組み方についても解説する。

環境と生命

生物の進化は、変化する環境への適応競争でなされた。 一方、人間は環境を都合のよいように変えて きた。この講義では、生命が誕生から現在までにどのよう に環境と関わりあい進化してきたのか、また人類が現在か かえている環境問題、特に今後の人類の進化にも影響をお よぼす可能性のある環境ホルモン(内分泌かく乱物質)に ついて概説する。

微生物学

地球上には、多様な環境に様々な微生物が生育している。 本講義では、微生物の環境適応機構の理解を目的として、 生態学及び生理学的立場から微生物の生育メカニズムにつ いて解説する。また、醗酵産業における微生物の役割、微 生物を用いた環境浄化、病原微生物が生産する毒素につい ても触れ、人間生活と微生物との関わり合いについても説 明する。

遺伝子工学

工学の基本はものつくりと利用である。ここでは有用な遺 伝子産物を効率よく発現させ、利用する技術の原理を学ぶ。 物質生産を行うにあたり遺伝子の発現調節をどのように最適 化するか、また遺伝子の改変方法についても説明する。 ゲノム解析、タンパク質工学についても言及し、バイオテ クノロジーの現状と未来について解説する。