数理モデル論 (Fall 2006)
講義内容.
確率論I、確率論IIの知識を過程して、それらの講義の続きとしてブラウン運動
と拡散過程を中心とする確率過程論の初歩、および
および確率積分や確率微分方程式などの確率解析の入門を講義する.
これらの内容は
統計力学などの自然科学の基礎理論として重要である事は言うまでもなく、最近では
ファイナンス(いわゆるオプションなどデリバティブの価格付け)など社会一般に
おいても重要性が強く認識されてきた分野である.
ブラウン運動を用いて定義される基本的な拡散過程(幾何ブラウン運動、ブラウン橋、Bessel過程等)の性質を調べ、それを改めて確率微分方程式の解として構成する
ことにより、確率解析の「威力」を実感してもらいたい.
話の流れ
- 条件付き確率、条件付き期待値
- マルコフ過程、ブラウン運動
- 反射原理とその応用
- ブラウン運動の変形から定まるマルコフ過程
- 確率積分
- ブラウン運動の2次変分とIto formula
- 確率微分方程式
- さまざまな例(幾何ブラウン運動、ブラウン橋、Bessel過程等)
文献
舟木直久 確率微分方程式, 岩波書店
G. Grimmett and D. Stirzaker Probability and Random
Processes, Cambridge
成績
出席および2回のレポートによる.