確率論2(Spring 2006)
講義内容.
確率論1(初等確率論)および解析学(測度論積分論)を履修している、あるいはその内容を十分に理解している者を対象に現代的な測度論的確率論を講義する.ブラウン運動や
マルコフ過程論、伊藤理論に代表される確率解析学、それらの統計物理学や
数理ファイナンスへの応用などは、すべてこの測度論の
枠組みを用いた確率論の上に組み立てられている.特に、
- 確率収束、概収束、p次平均収束などの確率変数列の収束概念の関係を理解する事、
- Borel-Cantelliの補題など概収束を保証する条件を知って、それを使えるようになる事、
- 大数の強法則の証明を完全に理解すること、
-
- 法則収束の特性関数を用いた特徴づけと、それを用いた中心極限定理の
証明を完全に理解する事
が重要である.
話の流れ
- 確率空間確率変数
- 確率変数列の収束概念
- Borel-Cantelliの第一法則と概収束
- 大数の強法則
- 特性関数
- 法則収束
- 中心極限定理
文献
舟木直久 確率論、 朝倉書店
西尾真喜子 確率論、 実教出版
成績のつけ方
定期試験による.ただし2回のレポート提出によって最高20点までの
アドバンテージを得る事ができる.