生物機能基材研究開発センター
私立大学戦略的研究基盤形成支援事業
研究代表者: 松田 祐介 理工学部 教授
研究プロジェクト名
特殊生物の自己組織化能を利用した新規機能基材の開発
研究内容
生物による無機固体形成(バイオミネラリゼーション:以下BMと略)は、歯や骨の生成に見られるカルシウムの固体形成など、医学的には古くから知られた現象であるが、自然界全体を見渡すとBMを行う生物、原料、生成物は極めて多様であり、BMを基盤とした応用の可能性や方向は極めて高くかつ幅広いことが分かる。例として貝の歯舌、一部のバクテリアに見られるマグネタイトなど鉄を原料とするもの、好熱菌や一部の巻貝など硫黄フィルムや硫化鉄など金属複合体を生成するもの、或いは海綿、珪藻類などにみられる酸化ケイ素固体(バイオシリカ)形成するものなどが挙げられる。これらのBMでは自然水中に希釈された原料分子を効率的に取り込み、細胞内外において濃縮・固体化するが、この過程でナノスケールの微細構造自己組織化を伴うことも多く、BMは細胞と生体高分子の機能に裏打ちされたインテリジェントプロセスの究極例と言える。本プロジェクトでは、BM原理を理解し、その数理科学的な理論化をおこない、BMを制御する技術基盤とこれに必要な基礎知見・解析法の深化・精密化をはかることにより、機能性基盤・基材を創成するための技術開発をおこなう。
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