第8回数理科学研究センター談話会
第8回数理科学研究センター談話会が開催されます.
場所 数理演習室 (神戸三田キャンパス理工学部4号館1階)
今回は2件の講演です.
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タイトル 「非線形拡散の自己集合とそれがアシストする走熱性の自己組織化」
講演者 上道賢太(関西学院大学大学院数理科学専攻M2)
日時 2013年4月24日(水)16:00-16:40
講演概要
ミツバチは造巣を行う際,蜂球と呼ばれる自己集合を形成する.
さらに,それをきっかけとして,その内部で一定の間隔で平行に巣板が複数枚形成される.
発表者自らが行った実験結果から,造巣の初期段階において熱が主要因となりうることが分かってきた.
本発表では,そう考えるに至った実験結果を紹介し,また,ミツバチの走熱性を課した数理モデルを
提案する.
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タイトル 「射影演算子法による非平衡物理研究:過冷却液体状態と液晶電気対流系」
講演者 鳴海孝之(関西学院大学理工学部博士研究員)
日時 2013年4月24日(水)16:50-17:50
講演概要
統計物理における射影演算子法は,着目する巨視的物理量の時間発展方程式を導出す
る数学的手法の1つである,これまでに数々の現象に適用されてきたが,その中から
我々が関わってきた現象として2つのトピックの概要を述べる.1つは過冷却液体状
態のダイナミクスへの適用であり,従来の理論との比較や今なお残る問題点を整理す
ることで過冷却液体状態の本質に迫る試みを紹介する.もう1つは時空カオスと呼ば
れる時間空間的に乱れたパターンへの適用で,液晶電気対流系における実験結果とあ
わせて紹介する.