関西学院大学 理工学部 化学科 山田英俊研究室 ホームページ Keansei Gakuin Univ., School of Science and Technology, Yamada Group
トップタイトル

Menu ––––––––––
icon of news   icon of members   icon of research   icon of locaton   icon of English   icon of KG   icon of kg_sci   icon of kg_chem


廣兼司君 特設ページ
「山田研での略歴」「学術論文」「受賞」の順に並んでいます。


––––––––––
山田研での略歴
 2008.3 卒研生としてメンバーに
 2009.4 大学院(前期課程)に進学
 2011.4 大学院(後期課程)に進学
 2013.4 学振特別研究員
 2014.3 博士(理学)取得 博士論文「エラジタンニンに含まれる多置換ジアリールエーテルの統一的合成戦略」

 2014.4 博士研究員として在籍
 2014.9 企業へ就職


 2015.10 また山田研で博士研究員
 2016.3 徳島文理大学薬学部・助教に内定



––––––––––
学術論文


A unified strategy for the synthesis of highly oxygenated diaryl ethers featured in ellagitannins



Nat. Commun. 2014, 5:3478 doi: 10.1038/ncomms4478.1,000個以上の天然物が知られている化合物群であるエラジタンニン類を化学合成 する上で、どうしても突破する必要があったジアリールエーテル型になったエラジタンニンの構成要素(部品)の合成法が述べられています。合成法がとても目新しく、また一つの方法で多くの構成要素の合成に利用できることを報告しました。廣兼君は、博士後期課程の殆どの時間を費やして、本研究の立案、実施、論文作成まで全般にわたって、中心的役割を果たしました。


––––––––––
Roxbin B is Cuspinin: Structural Revision and Total Synthesis



J. Org. Chem. 2013, 78, 5410-5417.ロキシビンBは、D-グルコースの1位と2位を架橋したヘキサヒドロキシジフェノイル基を有する、天然エラジタンニンのなかで極めて珍しい構造で報告されました。この珍しい構造に釣られ、合成しては見たものの、合成品がが天然物に一致しませんでした(ここまでは、こちらに報告)。それならロキシビンBの本当の構造がどうなっているのか?という疑問に取り組んだのが、この研究です。研究の結果、天然のロキシビンBはクスピニンとして報告されている化合物と同じであるかもしれないという結論に至りました。一方、そのクスピニンは天然エラジタンニンとしてはたいへん珍しい部分構造をもっており、全合成してその構造を確認しました。
 この研究は、天然のロキシビンや天然のクスピニンを単離構造決定された先生方を巻き込みながら、メインワーカーとして山口左有里さんが活躍しました。廣兼氏は、山口さんと一緒に合成経路を考え指導する部分を担当しました。


––––––––––
High-Yield Total Synthesis of (−)-Strictinin through Intramolecular Coupling of Gallates



J. Org. Chem. 2013, 78, 4319-4328. 抗アレルギー作用などが知られているエラジタンニン、ストリクチニンをものすごく効率よく合成しました。D-グルコースを出発物質として、全13段階、全収率は78%です。この研究では、ストリクチニンの特徴的な構造、4,6-(S)-ヘキサヒドロキシジフェノイル架橋を定量的に、しかも、単一の軸不斉で作っています。化学合成でエラジタンニンを供給できる時代は、すぐそこに来ています。
 この研究のメインワーカーは素晴らしい合成手腕を持っている道畑君で、その彼が収率を上げようと反応条件を丹念に丹念に検討することによって実現することができました。廣兼君は、道畑君の指導のもと、原料合成や反応条件検討の一部を担当しました。


––––––––––
Total Synthesis of (+)-Davidiin



Angew. chem. Int. Ed. 2012, 51, 8026-8029. D-グルコースの1位と6位の酸素をヘキサヒドロキシジフェノイル基が架橋した構造のため、立体的に大変歪んだ構造をしているダビジインを全合成しました。嵩高いシリル基でグルコースのヒドロキシ基を保護することで、グルコースの六員環の立体配座をむりやりひん曲げてやると、このような化合物でも合成できることを示しました。
 この研究には時間がかかっています。西村君が2006年に始め、道畑君、博士研究員の葛西さんと引き継ぎました。廣兼君は、道畑君、葛西さんの時代にこの研究に関わり、論文作成時のデータ整理などにも大貢献しました。


––––––––––
受賞

GP Ragaï Ibrahim賞



2014/9/2PDの廣兼君がGP Ragaï Ibrahim賞を受賞、名古屋で開催された国際ポリフェノール学会の開会式(9月2日)で表彰されました。この賞はポリフェノールの研究における特に優れた論文を発表した大学院生や若手の博士研究員に贈られます。選考は、フランスに拠点を持つGroupe Polyphenolsによって行われます。隔年で開催される国際ポリフェノール学会に合わせて表彰があり、一人が受賞します。つまり、2年に一人。受賞対象になった論文は、A unified strategy for the synthesis of highly oxygenated diaryl ethers featured in ellagitannins. (エラジタンニンの特徴である高度に酸化されたジアリールエーテルの統一的合成方法)Nat. Commun. 2014, 5:3478です。写真左がGroupe Polyphenolのプレジデント Prof. Véronique CHEYNIER、右が廣兼君です。
対象となった論文
第27回 国際ポリフェノール学会(2014)…初のアジア開催
GP Ragaï Ibrahim prize
Groupe Polyphenols


––––––––––
2014日本化学会年会 学生講演賞



2014/4/15日本化学会㈹春季年会の廣兼君の口頭発表に対して、学生講演賞を頂きました。発表のタイトルは「ルゴシンA」の全合成とラエビガチンAの合成研究」です。 学生講演賞の全受賞者はこちらからどうぞ。


––––––––––
第54回天然有機化合物討論会 奨励賞




2013/9/19山口さんが、昨年秋に開催された第54回天然物討論会の奨励賞(ポスター発表)を受賞しました。一年後の第55回討論会の懇親会で受賞式が行われました。山口さんは写真の中央。発表のタイトルは「ラゲルスタンニンCの全合成とロキシビンBの構造訂正・全合成」。発表者は、山口左有里、金子由季、広兼司、足利是貴、西井健太郎、道畑直起、山田 英俊です。発表は「ロキシビン」部分を行った山口さんと、「ラゲルズタンニン」部分を行った金子さんが二人で行いました。廣兼君は、この二人を指導しました。


––––––––––
第26回 International Conference on Polyphenols ベストポスター賞



2012/7/26イタリアのフィレンツェで開催された、第26回国際ポリフェノール・コンファレンスでポスター賞を受賞しました。国際ポリフェノール・コンファレンスは、植物ポリフェノール分野の研究成果発表・議論の場として世界を牽引してきた会議です。今回は、42カ国から393名が集い、ポリフェノールに関する化学、薬学、栄養学などについて最近の成果を持ち寄り、議論しました。
 このポスター賞。ポスター総数103件のうち、1件だけに与えられました。


Menu ––––––––––
icon of news   icon of members   icon of research   icon of locaton   icon of English   icon of KG   icon of kg_sci   icon of kg_chem